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週刊 PC&周辺機器レビュー 第63回

Core i5&Radeon HD 5430搭載で限界突破 Inspiron 13z

2010年07月16日 12時00分更新

文● 池田圭一

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中身も刷新 Mobility Radeon HD 5430が標準に

 旧13zとNew 13zを比べたとき、見た目の違いもさることながら、隠された内部の機能向上も著しいものだ。まずCPUがCore 2 Duo/Solo世代から、Core i世代のCore i5-430UM(1.20GHz)やCore i3-330UM(1.20GHz)へと高速化された。チップセットもIntel GS45からIntel HM57 Expressと変更されたほか、従来はオプション選択だった独立GPU(GeForce G105M)が標準装備となり、ATI Mobility Radeon HD 5430(ビデオメモリー1GB)になった。

旧13z(左)とNew 13zでWindowsエクスペリエンススコアを比較。Core 2 Soloとi5の比較は酷だが、やはりプロセッサースコアの伸びが著しい。チップセットも変更されたため、全体的にパフォーマンス向上している

 その結果、処理性能・描画性能ともに革新的な進化を遂げている。Windowsエクスペリエンスインデックスでは、基本スコアが4.9、ゲーム用グラフィックスのサブスコアは6.0と、旧13z(Intel GS45内蔵)での値4.6に比べて大幅に向上している。ベンチマークソフト「PCMark Vantage」の値を見ても、トータルスコアが「3872」、Gaming Scoreが「3226」と、モバイルノートとしてはトップクラスの性能である。

PCMark Vantageのテスト結果

参考までにPCMark Vantageのテスト結果。ゲーミングマシンとは言えないが、10万円以下で買えるモバイルノートとしては最速か?

 実際に使っていても、表示切替などでのもたつきはまったく感じられなかった。ゲーミングマシンとしてはCPU面で苦しいところもあるのかも知れないが、MP4(H.264エンコード)動画の再生などでは、独立GPUの威力を存分に楽しめるだろう。本体背面にあるHDMI端子などを利用して、大画面テレビなどで映像を楽しむモバイルプレイヤーとしても実用的である。

フルHD解像度のMP4(H.264)動画を再生中

フルHD解像度のMP4(H.264)動画を再生中。描画処理のほとんどをRadeon HD 5430が担うため、CPU負荷はわずか2~3%に留まる

 さて高速化を達成したとなると、気になるのがバッテリー駆動時間だ。旧13zではバッテリーが本体後部に装着されていたので、標準の4セルバッテリーだけでなく、後部を膨らませた8セルの拡張バッテリーを搭載できた。ところがNew 13zでは、薄型のリチウムポリマーバッテリー(標準で6セル相当)を本体底面前部に装着する関係上、拡張バッテリーの取り付けは困難である。スペック情報には最大駆動時間が4時間49分と記されている。

薄型リチウムポリマーバッテリーが裏面前方に装着されている

6セル相当(設計容量44400mWh)の薄型リチウムポリマーバッテリーが裏面前方に装着されている。場所的な関係から大容量バッテリーは用意されていない

 通常の使い方をする場合、経験的にはカタログ値の半分ぐらいと見積もるので、約2時間25分となる。実際に検証してみたところ、HDDからH.264動画を再生し続けた状態では、フル充電から2時間40分ほどのバッテリー駆動が可能であった。バックライトの輝度や通信機能(特に無線LAN)の利用頻度によっても変わってくるのだろうが、新幹線などの交通機関でも3時間程度は使えそうである。

YbInfoによるバッテリー情報

「YbInfo」によるバッテリー情報。ほぼ負荷をかけていない状態では、平均で約3時間半動作する(残量÷瞬間放電速度、バッテリー残量97%状態)

YbInfoによるバッテリー情報

H.264動画再生・スピーカー再生では、約2時間38分(バッテリー残量 93%)程度

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