より実用的なAR技術の展示
R&Dの中で特に目立っていたのがAR技術の展示である。AR技術に関しては、セカイカメラなどですでにおなじみになりつつあり珍しい技術とは言えなくなってきたが、そこはドコモならではの部分もいろいろ見られた。
たとえばジェスチャーアクションと組み合わせた「投げ検索」(カメラを振った方向のタグを拾う)など直感的なインターフェイスの研究を進めている。さらに屋内にARタグを配置し、あたかも室内にある家電を使うようにさまざまな機能をARによって利用、自分の部屋をARタグで飾りたてるなどのアイデアもあった。
「ゴルフ版直感ナビ」はなかなか実用性が高そう。すでにGPS内蔵のケータイやスマートフォンでは、各地のゴルフコースデータを搭載し、現在地からホールまでの距離などを教えてくれるといったアプリが存在するが、それにAR技術を盛り込んでいる。
参考展示では携帯電話サイズの裸眼3Dディスプレイ。専用メガネなどを必要としない裸眼3D表示デバイスそのものはデジタルカメラやゲーム機などで搭載されつつあるが、このデバイスはある程度左右角度を付けた状態でも立体視できるようになっているのが特徴的である。
7月14日からすでに公開されているAndroid用の「サービス連携システム(BLOCCO)」は実際にデモとして見せられるとこれがおもしろい。従来の携帯アプリ利用環境から考えるとちょっとわかりづらいが、PCで“マクロを組む”ように複数のアプリを連携して動かすことでサービスを使うことができる。対応したアプリでないと動作しないが、連携させるための登録作業も非常にシンプルでわかりやすい。
そのほか既存の各種ソリューションも細かく充実を図っている。4月にスタートした日本とその沿岸の会場で使える衛星電話「ワイドスターII」は端末(平面アンテナ含む)を大幅に小型化。データ通信速度も最大下り384kbps/上り144kbpsと高速化しており、圧縮された動画ならば配信が可能である。災害時対策などとして自治体・企業などへの導入のほか、漁船や客船などへの導入も進んでいるという。