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作品モチーフのエアタグが美術館を囲む

「マン・レイ展」と「セカイカメラ」が六本木をジャック!

2010年07月14日 23時50分更新

文● 丸子かおり

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美術館の外や周囲にエアタグを展開

 またもうひとつの試みとして、美術館上にマン・レイの作品である「無題(黄金の唇)」をモチーフにした、金色の唇の形をしたエアタグも浮かんでいる。ARでマン・レイのシュールレアリズムが体験できる貴重なコラボだろう。井口氏は「無題(黄金の唇)」のエアタグ化について、「(従来、美術館の上空など)高いところにエアタグを置けなかったが、「マン・レイ展」で置けるようにした」という。美術館に金色の唇が浮かんでいる風景は、「セカイカメラ」で見ていてやはりシュールだ。ARにより、マン・レイ作品が新たな表現をもって現実世界に現れたのは興味深い。

美術館の上空に浮かぶ金色の唇もエアタグだ

 なお、このコラボレーションのポイントは、美術館内や展示にエアタグによるナビゲーションという方法を取ったのではなく、美術館の外や周囲にエアタグを展開したこと。この方法により、展示を観た後にマン・レイに触発されて、エアタグで何かを表現するというユーザーの参加をつのる意図があったそうだ。

 そしてこのマン・レイ展を控えて、iPhone版「セカイカメラ」が急きょver.2.4.1にバージョンアップされ、14日朝App Storeにて配信された。このver.2.4.1では、Ansroid携帯版に備わっていたセカイカメラ内の写真が撮れる「Air Shot」を追加することにより、「無題(マン)」や「無題(黄金の唇)」との記念撮影が行なえるとのこと。写真はiPhoneのカメラロールに収納されるので、Twitterに投稿したり、メールで送る、もしくはブログに掲載するのものも可能だ。もちろん、展覧会を見に行った記念として保存するのもいいだろう。

「無題(黄金の唇)」のエアタグをタップすると、解説などが紹介される

 様々な芸術活動を行なってきた20世紀の偉大な芸術家マン・レイと、様々な活動を行なってきたARの先を行く「セカイカメラ」のコラボレーション。このふたつが組み合わさることにより、「マン・レイ展」がさらに「拡張」され、新たなアートの形を作るだろう。「マン・レイ展」に行く人は、展示に加え、セカイカメラのこの試みもぜひ体験してほしい。

 なお、このコラボは展覧会の会期同様、7月14日から9月13日まで行なわれる。


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