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ニーズのあるところ、カスタマイズの種あり

サポート・ソリューションのBTO化に取り組むデル

2010年07月20日 09時00分更新

文● 小林 久/TECH.ASCII.jp編集部

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アウトソースの手順をシンプルにする

── まずは教育市場についてお伺いしましたが、OSイメージのカスタマイズ(CFI)については、すでに大企業ではかなりの実績があるのですよね。

大企業向けのソリューションマーケティングマネージャーを務める松原氏

松原 「はい。私は企業における、理想のデスクトップ環境をテーマにソリューションを開発しています。この分野で、最初に管理者の負荷になっているのは「導入」、特にイメージング(インストールするOSやアプリケーションなど、ソフト環境などの統一)の部分です。

 そこでデルは、CFI(Customer Factory Integration)という、お客様のカスタムイメージを工場で預かり、インストール済みの状態で製品を出荷するサービスを提供しています。

 こういったカスタムイメージの導入では、Ghostなどディスクイメージをバックアップするツールが使われる場合があります。具体的には導入のための作業をシステムインテグレーターにアウトソースし、各ベンダーごとにDVDか何かに焼いたイメージを用意して、人海戦術でそれをインストールしていくような作業になりますね。

 日本企業の導入と言うと、ほとんどがこういう感じです。確かに、企業のソフト環境は標準化されていますが、そこにはまだまだコストがかかっているし、管理者の負荷も高い。それをシンプルにするのが、CFIです。

 新しいPCにリプレースするのが前提になるのですが、工場にイメージを預ければ、カスタマイズしたOSイメージを最初から導入した状態で、お客様の手元にPCが届けられるわけです。

 我々はさらにその次のステップも考えています。標準化から“効率化”、さらには“動的”という表現をしているのですが、企業で稼働しているクライアントPCのイメージも一元管理できるようにする。一元化することで、デル以外のクライアントPCにもイメージを展開できる。しかも動的に。その目的に即したサービスを提供しています。

 その最初の事例を作ったのは、我々デルです。デルは全世界に14万台のPCを保有していますが、マイクロソフトのSystem Centerというツールを活用し、英語版、日本語版、フランス語版など、各国のOSイメージを一元管理しています。既存の古いPCでも、リプレースするPCでも、これらのイメージは動的に──つまり自動的にネットワーク経由で展開できるようになっています」

垂見 ということで、やりたい従業員は勝手にWindows 7にしていますし、我々の使っているマシンもみんな最新のWindows 7になっています。そのほかのアプリケーションもオートインストールで入っています。デルの場合、OSだけは自由に選択することを許可されています。それ以外のアプリに関しては、事業部に必要なものは権限をとって、変える形です。

 日本の企業ではどこまで自社で運用するか、ベンダーに任せてやらせるかというに課題がありますが、少なくともその課題をクリアするためのサービスをデルは持っているということです」

松原 「その点を考慮して、我々も2種類のサービスを用意しています。動的なサービスはあくまでもお客様が自社で運用することを目的としたもので、ツールを使って自主的にやってもらう手法を採っています。一方で、日本の場合、まだまだアウトソーシングというか、任せたらやってくれる。いくらいくらでこれだけの作業をお願いします。という文化があるので、いきなり動的にやる方向には進まないと考えています。

 では、アウトソーシングの世界をシンプルにするにはどうするか? このためのソリューションはCFIから始まりますが、MDS(Managed Deployment Service)というサービスと併用すると効果的です。キッティング、イメージング、物理的なサイトへの導入(設置)までを一手に引き受けて我々デルのエンジニアがやると。

 MDSはCFIと組み合わせることで、システムインテグレーターにアウトソースするよりもコストメリットが出せます。イメージの導入はデルの工場でやってしまいます。それをキッティング(箱詰め)して、お客様のイメージが入ったパソコンをお客様の物理サイト(オフィスなど)で、コンフィグレーションすることもやります。人を動かすためのコストをそのぶんだけ低減できるわけですね」

垂見 「ここで注意したいのは、面白いことにお客様ごとに、どこまでデルに任せるかの閾値──Threshold(スレッシュホールド)というんですかね──が結構違うんですよ。だから、デルもアラカルトで、ここまでやったらいくらですよっていうのを体系化して提供してます。

 例えば『うちはこの部分だけは外に出したくないんだよな、セキュリティー情報がいっぱい入ってるんで』──ということなら、『分かりましたそれでは8割を弊社のセントラルキッチンで作ります。残りは和風に味付けするか、中華に味付けするかはお客様のほうでやってくださいというような組み合わせもアリです」

松原 「これをモジュラー型と言っていますね」

垂見 「アプリケーションの世界ではモジュラー構造は当たり前じゃないですか。だからそれを導入(deployment)でも同じようにやらせていただいている、と」

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