ファインダーの広さはある意味異常!?
645Dはベースとなった645NIIと同じレンズマウントである「PENTAX645AF2」を採用。AF化される以前のレンズやPENTAX 67用レンズもアダプターを介して使用することができる。
ちなみに、ROMの入っていないレンズではレンズ個体の情報をカメラボディ側に伝えることができないため、光学収差などの補正をすることができない。若干収差が出ることさえ我慢できるのであれば、今まで使用してきたレンズがそのまま踏襲できると言うのは価格的にも安くない中判カメラユーザーにはうれしい限りだ。
さらにレンズ交換でホコリがボディ内部に侵入したとしても、同社の「ダストリムーバルII」機能によって撮像面に留まることなく弾き飛ばすことができる。中判デジタルカメラでセンサークリーニングの機能が付いているものは初めてではないだろうか。
搭載している撮像素子はコダック社製の44×33mmCCDセンサーで、約4000万画素の解像度を持っている。ピクセルサイズは6.0×6.0μm。35mmフルサイズCMOSセンサー搭載の「ニコンD3S」が36mm×24mmで約1210万画素8.45×8.45μmのピクセルサイズである。解像度が約2倍(2450万画素)の「D3X」はその半分と考えると、1ピクセルサイズあたりの面積はD3Xを超えていることになる。さらに感度特性の優れているCCDを使用しているのでダイナミックレンジも期待できるはずだ。
このクラスのデジタルカメラやデジタルカメラバックではローパスフィルターを搭載していないものが多い。過去を振り返ると「マミヤZD」と「コダックDCSプロバック」が着脱式のものを用意していたと記憶している。
ローパスフィルターが無いことでモアレの心配をする人もいるだろう。しかし、センサーの直前で光学的にぼかしてしまうことがないので、画像の解像度は目覚しく好転する。
普段狭いファインダーに目が慣れてしまっているせいか、ファインダーを覗いたときの広さは異常とも言える感じ。ファインダーの視野率は約98%。メガネをかけた筆者の場合、アイカップのゴムにメガネをしっかり押し付けることで、ファインダー内の情報表示までがしっかりと見渡せる感じだった。
ナチュラルブライトマットのフォーカシングスクリーンはマニュアルフォーカスで使用したときもピントの山もつかみやすく明るく見やすい。「SAFOX IX+」へと進化したAFモジュールはピントの精度もスピードも通常は申し分ないのだが、測距点が11点で大きな画面の中央寄りの部分に集まり気味のため、構図のとり方によってMFでの操作がしやすいフォーカシングスクリーンは助かった。
さらにこのスクリーンは交換式で標準装備のAFフレームマット「DF-80」のほか、方眼マット「DG-80」と黄金分割マット「DK-80」が別売で用意されている(いずれも実売価格1万円前後)。