名刺登録までの操作ステップは多いのだが、ハードウェアUIがとても優れており、携帯ゲーム機っぽい操作感だ(持ち方も必然的に携帯ゲーム機のような持ち方になる)。
なお、取り込んだデータはすべてmicroSDカードに保存するので、パソコンとの連携操作ができそうだと思い、microSDカード内のデータを見たところ、「.nc」という拡張子で保存されていた。この拡張子、NC工作機用のものではなく、キングジムの独自規格のようで、Name Cardの略称と思われる。
これは事実上「ピットレック」専用規格のようで、エクセルなどにデータを展開することはできない。大量の名刺データを応用できないのはちょっと惜しい気がするものの、キングジムの説明では、個人情報保護の観点からあえてこのような仕様にしたとのこと。
名刺管理機能はとても豊富
さて、名刺を保存したら、まずはスター付与か倉庫へ移動かを選ぶ。スターはフィルタリング機能で、任意で作成したしおりを後から付与することもできる。倉庫は未分別もしくは検索する必要がない名刺といったところで、表示・非表示の設定が可能だ。
詳細登録ではマイリストやしおり、メモなどの登録が行なえる。また、裏面画像の登録もできるので、名刺裏にもデータのある名刺もOKだ。
保存された名刺データは、会社名、氏名、閲覧履歴、登録日、マイリストの5パターンで整理される。マイリストは取引先や特定グループを自分で作成することができ、最大120グループまで登録可能だ。
名刺の検索についても経路が豊富で、会社名、氏名、閲覧履歴、登録日、マイリスト、キーワードから検索できるため、検索効率は極めて高い。キーワード検索は、ちょうどGoogleで検索範囲をウェブ、画像、動画などから選ぶような按配で、会社名、指名、閲覧履歴、登録日、マイリストに登録されている文字情報から該当するものが表示される仕組み。
複数の名刺を横断的に確認していけないという点だけが気になるが、そのほかはアナログの名刺ホルダーから「あの人の名刺はどこだ?」と探すよりも効率がよく、ストレスを感じさせないインターフェイスだ。
このあたりの流れはパソコン用の名刺管理ソフトとほとんど同じで、すでに利用している人なら戸惑うことはないだろう。出先で電話をしながら片手でスイスイっと名刺を探せる使い勝手の良さは、ぜひ体験してもらいたい。