本ですら電子に進みつつある今日この頃だが、いまだにしぶとく、かつ高効率な手段としてアナログを採用しているアイテムは多数ある。
たとえば、名刺。
ビジネスの場ではファーストコンタクトとして定番だし、オフ会でもハンドルネームを添えたものを渡して、相手に覚えてもらうというのが定石だ。また付箋や卓上メモもディスプレー周りに貼り付けたり、作業場近くに置いたりという使い方が主流だ。もちろん、iPadを卓上に置いてメモにしているという人もいるだろうが、まだ少数派だろう。
先日、キングジムがデジタル名刺ホルダー「ピットレック」、電子手書きメモ帳「マメモ」を発売するというリリースを目にし、『ついに名刺も卓上メモもお手軽に電子化ですか』などと思っていたら、編集部より件の二製品を触ってみないか!と連絡が入った。
仕事柄、日頃から生活雑貨を触りまくっている身としては、とても興味があったので、ありがたく受けさせていただくことに。
そんなわけで、キングジムのデジタルアイテム「マメモ」「ピットレック」の使い心地をチェックしていこう。まずは「マメモ」からだ。
「マメモ」さん、ほどよい大きさ
卓上メモに求められるのは、机上にあっても邪魔にならず、かつ手に取りやすいサイズだ。実際、ざーっと様々な卓上メモを見てみると7cm四方の用紙が多い。
一方、「マメモ」の本体サイズは約102mm×93mm×36mm(縦×横×高さ)で、そのうち書き込み可能面積は約57mm×70mm(縦×横)。メモ部分のサイズは、現在よく流通しているメモ用紙に近い。
電源には単4形乾電池3本を使用する。アルカリ電池で約7ヵ月、エネループで約6ヵ月となっているが、奇数本はやや使い勝手が悪く感じた。スペース的に単3形乾電池2本でも問題なさそうなのだが……。
用紙に該当する部分はモノクロタッチパネル液晶で、付属のタッチペンもしくは爪で黒い実線を描くことができる。筆圧感知はないためフラットな線しか書けないが、メモなのでその点は問題ないだろう。
画面をタップすると起動する仕組みで、画面下段に新規メモやアラームなどの操作アイコンが並ぶ。設定では、時刻とコントラスト、全削除が設定可能。時刻はメモへのタイムスタンプに使用する。コントラストの設定では実線の太細、そして画面の濃淡を5段階から選べる。全削除はメモをすべて削除するというもの。
外観に戻ってみると、書きやすさと視認性がもっともいい角度を見つけやすいように、タッチパネルは傾斜設計となっている。視野角は明記されていないが、およそ上下/左右130度といったところで、仕事場であればキーボードや電話の近くに設置しておくと、メモをするときに見にくいということはないだろう。
