自分で3D映像を撮って楽しめる
富士通「FMV ESPRIMO FH550/3AM」
富士通の「FMV ESPRIMO FH550/3AM」は液晶と一体型のデスクトップ機で、3D表示は偏光フィルター方式を採用している。メガネはしっかりとした作りのプラスティック製で重量は205gだ。なお、3Dの効果を実感するためには約1m前後モニターから離れて見る必要がある。
偏光フィルター方式のため、3Dで見られる視野角は左右約20度前後と非常に狭い。常に一定のポジションで見る必要がある。しかし、長時間見ていても目が疲れにくいため、個人的には良好な使用感だ。
この機種の一番の特徴としては、液晶の上部にウェブカメラを2つ搭載している点だ。これにより、富士フイルムの「FinePix W1」のような3Dカメラとして機能する。
これは他の機種にはない面白いところ。他の機種の場合には、3D対応のBDタイトルなど、何らかの映像ソース、もしくは3Dゲームでないと3Dを楽しめないが、本機の場合には単体でも3D動画や写真を作って楽しめる。
ただし、カメラは取り外せるわけではないので、3Dにできる被写体は自分の顔か、PCの前に持っていけるものに限られる。また、3D化した映像などは保存できるが、基本的に本機のアプリケーションでなければ3D化して視聴することはできない。
本機オリジナルアプリである「3Dカメラビューワー」は、本機の特徴である2つのウェブカメラを利用し、3D動画や3D写真の作成ができる。3Dの動画形式は無圧縮AVIだ。自分自身が立体的に見える画像を作れるのは面白い。
動画や写真にフレームやビックリマークなどの動画エフェクトを付けることができるが、これらは3Dで表示されない。できれば、カメラだけを分離して角度を調整できたり、小物をクローズアップできるようになると、もっと面白くなるだろう。
動画再生ソフト「Power DVD」は、バージョン10より3Dに対応となったが、この富士通版のPowerDVD 9はバージョン10と同等の3D機能を持っている。
このソフトにより、今年の秋頃に発売される3D対応BDタイトルの視聴が可能で、さらに普通の(2Dの)DVDを3Dに変換して表示することもできる。
実際にDVDを視聴してみたところ、ハリウッド系の映画は中心部分が非常にクッキリと飛び出して見えるが、画面の左右でくし型ノイズが出てしまい、効果がイマイチだった。
アニメの場合は作品によって効果が異なったが、「ヱヴァンゲリヲン 新劇場版:序」などは、飛び回る戦闘機やエヴァが立体的に躍動する感じが3Dで表示されて、高い効果を実感できた。
また、FinePix W1で撮影した3D写真は、プリインストールされている「TriDef 3D Media Player」で表示することができた。ただし3D動画に関してはコーデックがインストールされていないためか、表示することができなかった。
偏光フィルター方式の特性のためか、写真の斜めになっている線の部分に若干のくし型ノイズが見られたり、細かい部分が潰れ気味になってしまうが、立体感は良好で奥行きがしっかり出ている。また、見ていて目の疲れも感じない。
なお、DirectX 9に対応した3Dゲームなら「TriDef 3D Ignition」というツールに登録することで、3D表示ができるようになるようだが、今回試した「3DMark Vantage」、「FINAL FANTASY XIV」では、どちらも対応していなかったようで、うまく起動させることができなかった。
とはいえ、プリインストールのゲーム「タッチで熱帯魚!」は、まるでモニター内に本物の水槽が入っているようなリアルな奥行きで見ることができた。対応するゲームが増えていけば、楽しめる幅が広がるだろう。
FH550/3AMの主な仕様 | |
---|---|
CPU | Core i3-350M(2.26GHz) |
メモリー | 4GB |
グラフィックス | Intel HD Graphics(CPU内蔵) |
ディスプレー | 20型ワイド(1600×900ドット) |
HDD | 1TB |
光学ドライブ | 記録型BDドライブ |
無線通信機能 | IEEE 802.11b/g/n |
本体サイズ/重量 | 幅497×奥行き198×高さ391mm/約10.4kg |
OS | Windows 7 Home Premium(32/64bit) |
実売価格 | 20万円前後 |
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