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動画サイトってどうなの? 儲かるの? ― 第6回

ドワンゴ・夏野剛氏が語る「未来のテレビ」【前編】

2010年07月20日 12時00分更新

文● まつもとあつし

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テレビはインターネットの先にある「プラットフォーム」だ

―― さて、ニコニコ動画についての発言で注目されることの多い夏野さんですが、先日W3C(ウェブ技術標準化団体)の発表会で「テレビ」についてプレゼンをされました。

夏野 アジア系としてただ1人ボードメンバーに選ばれまして、毎週夜23時から電話会議をやってますよ。時差の関係で時間帯が厳しいんですよね(笑)。

―― W3Cということで、HTML標準化、つまりブラウザとの関係が深いところですが、ハードウェアの観点からも注目されているようですね。

夏野 これまで、テレビの部品はIT分野のもの、たとえばパソコンや携帯の部品とはまったく異なってましたよね。ところが、最近ずいぶん同じ部品を使うようになってきた。特にネットブックで普及が進んだAtom(CPU)をきっかけにして、プロセッサーの共通化がかなり早い段階ではじまっていくと僕は考えています。それが起こると、「パソコン」と「テレビ」との差がなくなっていくわけです。実際そういう商品もちらほらでてきている。

―― 「ROBRO」なんかがそうでしたね。

ROBRO

夏野 ええ。そうなってくると、テレビをどう作っていくか? という考え方をドラスティック(革新的)にあらためないと、日本のメーカーは危機に陥ってしまいます。まさにウォークマンの例がそれですよね。ネットワークにつながる「iPod」がでてきたときに、ソニーはついていけなかった。同じように、ケータイもネットにつながった瞬間に意味合いガラッと変わり、一気に用途が広がっていった。同じことがテレビに起こる可能性が高い。

―― 「Google TV」も登場し、すでにそれは予定されているようにも思えます。サービスという観点ではいかがでしょうか?

夏野 当然、家の中で最も大きいスクリーンがインターネット端末になるわけです。コンテンツプロバイダー(映像制作者)からはじまって、これまで放送局に独占されていたテレビ画面が、インターネットプレイヤーに開放されるわけですよね。ユーザーニーズはもちろんですが、コンテンツプロバイダーの欲求はもともと莫大なものがある。そこに技術、ハードのバックグラウンドもついてきてしまった。これはもうブレイクするのは間違いない。これを先取りできるか、できないかは日本のメーカーにとっての危機的なパラダイムシフトです。

―― そして、ブラウザーですね。

夏野 そう。ハードとサービスをつなぐのが「ブラウザー」です。このタイミングでHTML 5がでてきた。これによって、「テレビ用のクライアントソフト」が不要になったんです。動画だけじゃなく、プログラムができるので、ゲームやビジネス用のソフトを動作させることだってできる。

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