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古田雄介の“顔の見えるインターネット” 第75回

四次元の目で日本をながめる「写真で見る日本の歴史」

2010年07月06日 12時00分更新

文● 古田雄介

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「きれいだ」「すごいな」だけでは満足できない身体になってしまった

―― 「写真で見る……」もコンテンツに気合いが入っていますね。写真に添えられた文章が特に興味深いです。金閣寺を紹介するにしても、階層ごとに別の建築様式を採用した特殊な構造であることなど、プラスアルファの情報をサラリと解説しています。そういった情報を事前に調べてから取材に行くのですか?

社会科ちゃん ありがとうございます。事前に調べたり、現地で情報収集したり様々ですね。おっしゃるとおり、単に写真を載せるだけではなく「ここから何が見えるのか」ということを伝えるように意識しています。そこは本業が活きていると思いますね。学校の授業でも、自分で撮った何気ない写真を見せていろいろ読み取らせたあとに、「実はそれはこういう意味や役割があるんだ」と驚かせたりしていますから。

金閣寺の紹介ページ。メインコンテンツの「すべての画像」から辿ったり、「教科書に出てくるお寺」など、過去の特集からジャンプしたりできる

―― そういう目で旧跡や景色を眺めると、また違った深みが感じられそうですね。

社会科ちゃん それはありますね。普通に街を歩いていても、いろいろな情報をヒントにして、その街の成り立ちや広がり方、歴史的な発展の仕方などが見えるようになってきましたから。今住んでいる京都だとわかりやすいですけど、どこの街でもそういう歴史を感じることはできます。

―― 時間軸を一次元としたら、四次元で景色が見えるということですね。そういう見方の基本ができたら、未見の……たとえば海外の街を歩いても、似た視点で楽しめるようになりますか。

社会科ちゃん まだまだですけど、いつかはそうなりたいですね。ただ、現時点でも「きれいだ」「すごいな」だけでは満足できない身体になっているのは確かです(笑)。たとえば、ルーブル美術館に行ったとしても、「ただの美術館じゃなくてここに王様が住んどったんや」とか、そういうことを考えながら展示品を見る気がしますね。

―― サイトの文章を読んでも、「これ、最高!」や「うおー、絶景!」みたいな主観的な表現がなく、一貫して客観的ですね。

社会科ちゃん あ、でもそれは意識的にやっているわけではなく、間違ったことを書けないという意識から、自然とそうなってしまったんですよ。私としては、ときに「わー、すごい!」みたいな主観的な表現も増やしていかないといけないと思っています。

 今のままだと文体が堅くて、若い人にはあまり読んでもらえていないようなんですよ。メルマガの読者からいただくメールを読むと、お年寄りの方が多くて。もちろんそれはすごく嬉しいんですが、本業で教えているところの小学生や中学生にももっと興味を持ってもらえるように工夫していかないとと思っています。

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