明るく高画質な3D映像を実現した
4原色技術採用のシャープ
ソニーと同じく液晶勢のシャープは、3Dテレビももちろん液晶だ。7月末発売予定となっている最新モデルの「LV3」シリーズが3Dテレビで、サイズは60V/52V/46V/40Vの4つ。最大の特徴は新開発の4原色技術「クアトロン」の採用だ。
AQUOS クアトロン LV3シリーズ | ||
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機種名 | (予想)実売価格 | 発売日 |
LC-60LV3 | 60万円前後 | 7月30日 |
LC-52LV3 | 45万円前後 | 7月30日 |
LC-46LV3 | 37万円前後 | 7月30日 |
LC-40LV3 | 28万円前後 | 7月30日 |
これは従来の三原色(赤・緑・青)に黄色を加えた4原色の液晶パネルのこと。中間色である黄色の画素を追加することで、黄色や肌の色などの再現性が向上する。しかも、もともと明るい色である黄色が加わることで、画面の明るさにも有利だ。
液晶パネル自体は、独自の光配向技術を採用した次世代液晶で、広開口率の実現でより明るく、光漏れも少ないため高コントラストが実現できる。
3D映像の表示は「フレームシーケンシャル」方式で、ソニーと同じく4倍速を実現する。さらに、高速な液晶の駆動のため従来は2本の信号線で駆動していたが、新たに「FRED」技術を開発し、1本の信号線だけで4倍速表示を実現。信号線が少なくなったため、液晶パネルの開口率がさらに広がっている。
これに加え、LEDバックライトはサイドエッジライト式を採用し、上から下へライン分割でLEDの点滅を行なう。これは、ソニーと同様のクロストーク対策でもあるが、画面全体を消さないため明るさの低減が少なく、バックライトの点滅により映像のチラツキも少ないという効果がある。
これら、4つの技術がすべて「明るい」につながる。これは、3Dテレビが「暗い」という弱点を持つため。テレビ側でもバックライト点滅で暗くなり、3Dメガネ側でも偏光フィルターでさらに暗くなる。こうした明るさの低減を気にならなくするには、もともとの画面の明るさをさらに明るくすればよいという発想。さすがはパネルから開発を行なっているシャープならではの解決法だ。
明るさの点で有利なため、シャープの3Dメガネには偏光フィルターが備わっている。このため、明るさの問題はともかく、パナソニックの3Dメガネと同じく室内の照明のチラツキが気になる可能性があるが、頭を傾けたときにクロストークが増えるという問題はない。
残念ながら、最終的な画質はまだチェックできていないが、期待は大きい。製品が発売されたタイミングでこちらも製品レビューを行ないたいと思う。
このように、明るい液晶、暗いプラズマという特徴が3Dテレビではより顕著になる。ただし、映像が暗いぶん画質的なポテンシャルでは優れているのがプラズマの持ち味でもあり、明るい/暗いだけで選ぶのは禁物。次回はこうした違いも含めて、じっくりとそれぞれの3D映像の見え方をレポートしよう。
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