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渡辺由美子の「誰がためにアニメは生まれる」第2回

つながる世界、アニメで描く 「ソ・ラ・ノ・ヲ・ト」監督に聞く【後編】

2010年07月24日 12時00分更新

文● 渡辺由美子

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繰り返す、人の営み、人の歴史

―― カナタたちの世界では、遺跡や廃墟みたいな場所がたくさん見受けられますね。かつて人間が文明を発達させ過ぎて、滅びに向かっていった世界だという。そのように描いたのはなぜでしょうか。

神戸 物語では極端な形で描いていますが、人類が過去に過ちをおかしたとしても、その過ちの歴史も伝えられていくということ、でしょうか。

 永遠の文明というものはないですよね。古代の文明だってどこかの地点ではいったん滅びていて、今の僕たちが暮らす現代には、直接つながっていなかったり。結局は人間がやっていることだから、繰り返す気もします。歴史は繰り返すという言葉もあるくらいだから。

 青森の三内丸山遺跡という、縄文時代中期の4000年ぐらい続いた文明の大きな遺跡があるんですけど、あそこは縄文時代で終わっているんですね。終わってしまった理由を調査していくと、地球規模の寒冷化もあるけれども、もうひとつの原因として、クリの木の栽培もあるらしいんです。

 遺跡の周りにはやたらクリの木が多くて、どうもクリの栽培をしていて増えすぎたことによる環境破壊が原因ではないかという説もある。つまり、あそこで自然を人間の都合のいいように作り替えたわけなんですね。

 人類を進化させていくことが、一方で、過ちとして解釈されたりもします。

 技術が発展していくのはいいことでもあるし、僕たちは人間が暮らすのに都合がいいように環境を変えたり技術を進化させていくわけだし、温暖化を止めましょう二酸化炭素を出すのはやめましょうと言ったって、車を全部やめればかなり減りますけど、でもそうなると今の僕たちの生活は成り立たない。

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