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ビジネスを彩る、省スペースPC 第2回

ベンチマークで知る、イマドキの省スペースPC

2010年07月01日 09時00分更新

文● 花茂未来/インサイトイメージ

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消費電力はノートPCと同等

 Core 2 Duoが登場した2006年以降、CPUの省電力化はずいぶんと進んだが、マシン全体として見た場合の消費電力は現状どうなっているのかを調べてみた。

 計測はアイドル時と高負荷時で行なった。アイドル時はPCを起動させて5分ほど放置し、常駐ソフトの起動などが安定した状態。高負荷時はPCMark05使用中で一番高い値とした。なおM90zに関しては液晶ディスプレーを切った状態で計測している。

消費電力はワットチェッカーで計測

 Core 2世代以降のCPUは、ずいぶんと消費電力が抑えられている。実際、Core 2 Duoを採用する780 USFFの消費電力は、SSDとHDDの消費電力の差を考えてもかなり低いと言える。ただ、Core i5を搭載するタイプMEやM90zの結果を見ると、性能向上という側面も考慮する必要はあるが、やはりCore 2世代に比べて若干消費電力が上がっていることが分かる。

 AMD製CPUを搭載した6005 Proのアイドル時の消費電力の低さにも注目したい。ただ高負荷時の消費電力はグラフィックスカードを装備するタイプMEと並んでいる。

 ちなみに、手元にあったCore i3-M350(2.27GHz)を搭載したノートPCのアイドル時消費電力が40W、高負荷時で57Wだった。

 このノートPCと比べると、アイドル時の消費電力はM90zを除くと、省スペースPCの方が低い。液晶ディスプレーを考慮に入れていないことももちろん関係するが、デスクトップ=高消費電力という昔からあるイメージは必ずしも当たっていないことが分かる。高度な演算処理を延々実行するといった用途でもない限り、消費電力に目くじらを立てる必要はなさそうだ。


余裕のある冷却性能

 デスクトップPCのメリットのひとつである、冷却性能にも注目してみたい。そこでCPU温度を計測してみた。条件はアイドル時、高負荷時とも消費電力計測の時と同じだ。温度計測には「Core Temp」というフリーソフトを用いている。

「Core Temp」でのCPU温度計測結果

 結果は、小さい筐体にもかかわらず、6005 Proがアイドル時で24℃、高負荷時でも49℃と優秀な結果となった。以降はアイドル時ではタイプME、AT980Eと続く。高負荷時の温度がタイプMEとAT980Eが逆転しているのは、タイプMEが搭載するCore i5のターボブーストが長時間働いたことによるものだろう。

 消費電力の計測時に使用したノートPCでは、アイドル時が50℃、高負荷時には97℃となったことから、やはりエアフローの観点からデスクトップPCには余裕があることが分かる。

 高温状態が続けば、CPUだけでなく、メモリーやマザーボード、そしてHDDなどの周辺パーツへと熱が伝わり、パーツ寿命を縮めることになりかねない。冷却性能が高いデスクトップPCを使用すれば、そのぶんだけPCのトラブルを事前に防ぐ効果があるのではないか。

 以上のように、今回はベンチマークを中心に省スペースPCに迫ってみた。次回は省スペースPCのメリットであるフットプリント、そしてメンテナンス性を見ていきたい。

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