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西田 宗千佳のBeyond the Mobile第50回

IS01はシャープ流の「ウェブコミュニケーション端末」

2010年07月01日 12時00分更新

文● 西田 宗千佳

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Android+シャープのこだわりで
「究極のウェブブラウズ体験」を

独自のランチャー 独自のアプリケーションランチャーも用意。Android端末に日本の携帯電話の利点をいかに取り込むかが重要だった

 シャープが考える「Androidに足りないもの」は、なにもOS側だけの話ではない。むしろアプリケーションでできることも少なくない。そのひとつが「コンテンツマネージャ」というアプリだ。

本田「多くのスマートフォンは『アプリ』からの誘導ですが、ほとんどの携帯電話はそうではありません。写真や動画などが『データフォルダ』に入っていて、そこからデータを選んで使う、という形式を採っています」

「コンテンツマネージャはこのような使い勝手を実現するものです。Android上の既存技術を組み合わせて実現しているのですが、本体内にある写真やPDF、動画などをまとめてみせて、データフォルダ的な使い勝手を実現しました」

「今後8~9月に予定しているLISMOや携帯メールへの対応についても、携帯電話ユーザーが満足する形で実現させていきたいと考えています」

 また、同様にシャープがこだわったのが「フォント」だ。同社は液晶パネル上での表示が美しくなる独自の「LCフォント」を携帯電話などで利用しているが、IS01ではそれに加え、モリサワの新ゴシックを搭載した。

独自のフォントを用意 独自のフォントを用意することで、ウェブ表示の品質を高めている

本田「『究極のウェブブラウズ体験』をしていただきたい、という狙いからフォントを追加しました。LCフォントには使い慣れた安心感がありますし、モリサワフォントは本当に美しい。フォントを選んで使っていただけるよう、設定項目も追加しています」

「ほとんどないとは思うのですが、万がいちAndroidの標準フォントと異なることで動作上の問題が出た場合にも、標準フォントに変更できます」

 確かに独自にフォントを用意した結果、IS01の表示はかなり美しい。表示の美しさではiPhone 4も評判だが、あちらも美しさの秘密は「液晶パネル+表示用ソフトウエア+フォント」の力にある。IS01もそれらの3要素を持ち合わせているので、ブラウズ体験はかなり快適なものになっている。ウェブブラウザーを重視して選んでも満足できるだろう。

本田「直感的に操作していただくために、トラックボールも搭載しました。考えられるさまざまなデバイスはテストしているのですが、やはりトラックボールが最もいいだろうと。単に搭載しただけでは、ボールをクリックした際に、ポイントがずれてしまいやすいので、細かく調整して違和感が出ないようにしています」

キーボード右上にある丸い部分が小型のトラックボール キーボード右上にある丸い部分が小型のトラックボール。パソコン用のトラックボールのようにポインターを操作するのではなく、ボールを動かすと画面上のボタンやリンクなどへのフォーカスが、動きに合わせて切り替わる感じで、意外にも使いやすい

 IS01はマルチタッチを搭載しない「Android 1.6」ベースで開発されているが、マルチタッチを独自に実装しており、操作感もいい。通常の操作はタッチ、片手操作にはトラックボール、というのがお勧めだ。

マルチタッチも独自にサポート マルチタッチも独自にサポート。操作のレスポンスもいい

気になるAndroidのアップデート対応は?

 最後に気になる点を聞いてみた。それは「OSのアップグレード」だ。Androidは開発速度が速く、すでに最新OSである「2.2」(開発コードネーム「Froyo」、フローズンヨーグルトの意味)も発表されている。IS01はFroyoに対応するのだろうか?

本田「我々としても、第1号機を作ってみて『何をやり、何はやらない方がいいのか』がわかってきました。現状では、急速にキャッチアップするためにどのようにすればいいのか、戦略を立てているところ、としかご返答できません。Froyoはものすごくインパクトがあるものなので、どう対応するかも企業戦略の一環になると思っています」

「ただIS01については、元々Androidありきでスタートした製品ではないので、それ以上に『体験』が重要だと考えています」

 IS01はキーボード内蔵の携帯端末として、過去の名機と比較してもかなり高いレベルにあると感じる。もちろん画面の縦横比の違いもあるので、既存のスマートフォン向けAndroid用アプリがすべて動くわけではない。Windows PCほどの汎用性は元々ないのだ。しかし、ブラウズ体験と入力の快適さでは、同価格帯・同サイズ帯のライバルより上と言っていい。

 シャープによる改善点も、決して「無駄」とは思えない。問題は「アプリ」だが、こちらは今後改善する可能性も高い。特に、日本でのテキスト作成やネット利用の形態など、「日本でのルール」に合わせたアプリの登場に期待したい。この点は、ライバルであるiPhoneなどでもまだまだ足りないところだ。

 Androidと日本らしいこだわりの両立は、今後も難しい課題となるだろう。だがそれがない限り、スピード感を武器にする海外メーカーと戦えない。IS01は少なくとも、「今」は戦える商品になっている。そう筆者は思うのだが。

IS01 の主な仕様
ディスプレー 5型ワイド 960×480ドット
無線通信機能 CDMA 1X EV-DO Rev.A(CDMA 1X WIN)、IEEE 802.11b/g、Bluetooth 2.1
インターフェース microSD/SDHCメモリーカードスロット、microUSB 平型イヤホンなど
サイズ 幅149×奥行き83×高さ17.9~20mm
質量 約227g
バッテリー駆動時間 連続待受時間 約200時間
OS AndroidOS 1.6

筆者紹介─西田 宗千佳

1971年福井県生まれ。フリージャーナリスト。得意ジャンルは、パソコン・デジタルAV・家電、そしてネットワーク関連など「電気かデータが流れるもの全般」。主に取材記事と個人向け解説記事を担当。朝日新聞、読売新聞、アエラ、週刊東洋経済、月刊宝島、PCfan、YOMIURI PC、AVWatch、マイコミジャーナルなどに寄稿するほか、テレビ番組・雑誌などの監修も手がける。近著に、「美学vs.実利『チーム久夛良木』対任天堂の総力戦15年史」(講談社)、「クラウド・コンピューティング仕事術」「iPhone仕事術!」(朝日新聞出版)、「iPad vs.キンドル」(エンターブレイン)。


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