“よき社員のいる企業”をブランディングするIBM
IBMはかつて展開していたPCなどのコンシューマ向け製品から撤退し、現在ではビジネス、エンタープライズ領域に特化したビジネスを展開している。そのため、Twitterやブログなどのソーシャルメディアに対する向き合い方も、他社とは異なっている。B2B向けのソーシャルメディア展開のためのガイドラインを紹介したのが、日本IBMの栗原 進氏だ。
ガイドラインの要旨は以下の通り。
- ソーシャルメディア活用の手引き
- 対外的にもIBMのポリシーを示す
- 現職を通じて知りえた情報に言及する場合は、実名で
- 一人称で語る (会社を代表する意見ではない)
- 誹謗中傷しない
- 著作権を侵害しない
- 社会に有益な意見を持つ社員がいる会社 => ブランディング
特徴的なのは、最後に挙げた「ブランディング」の項目だ。IBMは企業として自社のサービスや商品を直接紹介するためのソーシャルメディア・マーケティングは原則として実施しておらず、社員がソーシャルメディアを通じて社会へ情報を発信することで、「社会に有益な意見を持つ社員がいる企業」という企業ブランディングへ繋げていく考え方を採っているという。
栗原氏は、「ソーシャルメディア・ガイドラインをどう作れば良いか、という相談をよく受けるが、そもそもの企業の形、つまり『倫理規定』や『行動基準』、ガバナンスがしっかりしていれば、ガイドラインは原則の提示で済むはずだ。その後の活用は社員の自主性に委ねつつ、社内コミュニティを通じてスキルの向上を図っていくべき」と強調して講演を締めくくった。