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T教授の「戦略的衝動買い」 第105回

70歳から使い始めたい「ハズシ」の腕時計

2010年07月01日 12時00分更新

文● T教授

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ミッキーが1時間に1回、左手を振り戻す

 「ミッキーマウス生誕70周年記念 レトロファンタジーモデル」のレトログラード機構は極めてシンプルだ。

細身のクロコダイルベルトが付属する。落ちついたシックな感じだが、好奇心旺盛な大人が持っても似合うだろう

ちなみに過去に当コラムでも、同じくレトログラード機構を備えたレトロファンタジーモデルを紹介したことがある。こちらは金属ベルトでよりアクティブなイメージだ

 文字盤の中央にはスキップしているミッキーが描かれており、その白い手袋をはめた左腕が分針になっている。普通の時計でいう8時から4時までの間が60の目盛りで区切られており、時間の経過と共に左腕が少しずつ右回りに移動する。

 そして1時間(60分)が経過した瞬間に、ミッキーの腕は、4時から軌跡を逆行してスタート位置である8時の位置まで戻る。それと同時に、ミッキーの股下にある時刻窓の数字がひとつ増えるという仕組みだ。

 ミッキーのアクションを見る楽しみは、1時間にわずか1回だけ。分表示はデジタルではなく、ミッキーの人差し指で大雑把に示されるだけなので、1分1秒の正確さが生死を分けると騒ぐ国際派ビジネスマンには不向きだろう。

文字盤に天然の貝を採用したせいか、ミッキーマウスのカラーリングが少し淡く、よりソフトなイメージを受ける

文字盤を斜めから見たところ。毎正時に動かす腕の振り切りはスムーズだが、腕時計の分針としては無理のある動作をさせているので、メンテは確実にしておいたほうがよさそうだ

ジェラルド・ジェンタの特徴である側面の縦溝と、お世辞にも巻きやすいとはいえない竜頭。デザイン的にはマッチしているのでよしとしよう

 「ミッキーマウス生誕70周年記念 レトロファンタジーモデル」は、多くのメカニカル腕時計や高級腕時計を経験してきた人が、常識的な「腕時計道」をあえて外して楽しむにはピッタリの製品だ。

 急がずゆっくりと人生を進める人、お金持ちではないが「お時間持ち」のリッチな人、自分中心に物事を考えても誰からも非難されない徳を積んだ達人など──。最低でも40歳以上、出来れば70歳くらいの洒落っ気のある大人にさりげなく使ってほしい。

いつの間にか筆者の手元にはミッキーマウスをモチーフにした腕時計が集まってしまった


今回の衝動買い

アイテム:ミッキーマウス生誕70周年記念 レトロファンタジーモデル(販売終了)
価格:約70万円(販売時)


T教授

T教授

 日本IBMから某国立大芸術学部教授になるも、1年で迷走開始。今はプロのマルチ・パートタイマーで、衝動買いの達人。

 

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