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ゼロからはじめるバックアップ入門 第5回

急速容量拡大と価格低下がもたらした新しいバックアップ手法とは

バックアップメディアはテープからHDDへ

2010年07月01日 06時00分更新

文● 伊藤玄蕃

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ストレージ装置とは

 バックアップメディアとしてのHDDには、前回「バックアップに使うメディアはどう選ぶ?」で説明した外付けHDDやリムーバブルHDDと、ストレージ装置(ストレージアレイ)とに分類できる。外付けHDDやリムーバブルHDDは、おもにパソコンやSOHO向けサーバーとUSBやSCSIなどのインターフェイスで接続される製品で、HDDを1台から数台内蔵し記録容量は数百GB(ギガバイト)から数TB(テラバイト)程度である。

 これに対し、ストレージ装置は、おもに企業向けのサーバーに接続されることを想定した製品である。ストレージ装置は、多数のHDDを搭載する筐体(ディスクエンクロージャ)、大容量のデータを高速に処理するための機能をもった制御装置(コントローラー)、サーバー本体と接続するためのファイバチャネルなどの高速インターフェイスから構成されている。

 記録容量は数TBから数PB(ペタバイト)のものまで、幅広く販売されている。小規模向けの製品と大規模向けの製品とでは、搭載できるディスク数のほか、コントローラの性能・インターフェイスの伝送速度・インターフェイスの数などが異なっている(図2)。

図2 ストレージ装置とは?

 ストレージ装置は元来、システムの本番データを収容するための外部記憶装置として開発されたが、この10年ほどの間にバックアップデータの保存にも使われるようになった。

 ストレージ装置には、一般にパソコン用のHDDよりも信頼性が高くデータの読み書きも高速な、SAS(Serial Attached SCSI)やFC(ファイバチャネル)仕様のHDDが使われる。ストレージ装置は「RAID(Redundant Arrays of Independent Disks)」と呼ばれる技術により、複数のHDDを論理的に1台の大容量のディスク装置として構成する(論理ディスクボリューム)とともに、HDDが故障してもデータを喪失しない仕組みを実現している。

 RAIDはまた、データを複数のHDDに分散して読み書きする仕組みなので、装置全体としての読み書きはさらに高速になる。RAIDにはいくつかの実装があるが、企業向けのストレージ装置の多くは、信頼性が高く容量効率もよいRAID5またはRAID6を採用している。RAID5は1台のHDDが故障してもデータが失われない仕組みで、RAID6は2台のHDDが故障してもデータが失われない仕組みである。

(次ページ、「ストレージの進化と理想の実現」に続く)


 

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