かなり使えそうな15倍モード
肝心の画質を見ていくと、解像度を変えずに圧縮率を高める「HR」では若干ノイズが感じられ、また倍率を高めれば解像感が損なわれていくが、大幅に画質が低下するという印象はなかった。驚いたのは15倍録画のHR15で、確かにブロックノイズはだいぶ目立つが、1/15という容量比から考えると画質の劣化はずいぶんと抑えられている。
解像度を抑えてさらにHDDの利用効率を高める「SR」モードは、さすがに解像感に乏しく、質感も失われている。また、HR15よりもブロックノイズが目立つ印象。たとえばサッカーの試合を録画すると、芝生の質感がなくなり、また動きが激しいため余計にノイズが目立った。どうしてもHDD容量を節約したいときのための録画モードと言えるだろう。
ただ、オリジナルサイズで15倍録画するHR15はかなり使えるという印象だ。画質が重要ではない、たとえばバラエティ番組のような内容で、1度見れば十分ということであれば、この録画モードでも十分だと感じる。
これまで地デジチューナーと言えばストリームをそのまま記録するしかなかったが、ハードウェアトランスコーダーを搭載した製品が登場したことによって、リソースに余裕のないPCでも利用しやすくなったメリットは大きい。
そういった意味で今後期待したいのは、そもそもHDD容量が小さいノートPCでも使えるUSB接続の製品である。HDD容量の観点からノートPCと地デジチューナーの相性は決してよくなかったが、ハードウェアトランスコーダーが広まればグッと両者の距離は縮むだろう。
録画した番組を取り込めるAV仕様のNAS「RECBOX」
記事掲載当初、RECBOXの容量に誤りがありました。お詫びして訂正いたします(2010年6月28日)
なお、今回はこのGV-MVP/XSWと同時にアイ・オー・データ機器のNAS製品である「RECBOX」(HVL-AVシリーズ)を利用してみた。名前からも分かるとおり、録画したテレビ番組を保存することを意識して開発された製品で、東芝の「REGZA」や日立「WOOO」などで録画した番組を、DLNA/DTCP-IPを使ってRECBOXにダビング/ムーブすることができる。もちろん、GV-MVP/XSWを使って録画した番組も、ネットワーク経由でRECBOXに移せる。
RECBOXにダビング/ムーブするメリットとしては、DTCP-IPに対応したDLNAクライアントで再生できることが挙げられる。たとえばPCで録画した上でRECBOXにダビングし、プレイステーション 3で再生するといったことが可能になるわけだ。
GV-MVP/XSWにはDLNAサーバーソフト「DiXiM Media Server」が添付されているため、PC単体でも録画した番組をDLNA経由で配信することは可能だが、RECBOXを利用すればPCを常時稼働させておく必要がなくなる。
「スカパー!HD」の録画用として利用できることもポイントで、録画先としてRECBOXを選択するだけでよい。
もちろん通常のNASとしても利用できる上、USB端子に接続した外付けHDDのファイルも共有できるといった機能も備えている。NASの購入を検討しているのであれば、活用範囲の広い製品としてRECBOXは魅力的だろう。
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