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四本淑三の「ミュージック・ギークス!」 第26回

ニコニコ動画に隠れた、生の芸術 「ジャガボンゴ」の魅力を探る

2010年06月26日 12時00分更新

文● 四本淑三

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もっと戻りたい。もっと下手になりたい

―― 絵は以前から描いているんですか?

こんP 絵は子どもの頃から描いてますよ。でも中二っぽい絵は卒業したかなと思います。

―― なんですか「中二っぽい絵」って?

こんP 人の内臓とか、目とか。そういうものを積極的に描く時期があったんですけど、それはもうやめようと。

―― アウトサイダー・アートのようなものに影響を受けているのかなと思いました。

「初音ミクのアニメーション2」より

こんP ああ、好きなのかなあ。子供がやるような、意図されていないもの。それがいつの間にかビンビンくるようになって。好きですね。いいですよね、って言っても共感してくれる人はどれくらいいるんだろう? アート・アニメーションが好きだったんです。

―― ヤン・シュバンクマイエルみたいな。

こんP そうですね。シュバンクマイエルもそうですけど、NHKで「デジスタ」という番組があって、それを子供のころに見ていて(公式サイト)。ああ、この世界は素晴らしいと。不安感とか、意味が分からないものを出したい、言葉以前のものを出していきたい。理解できるような怖さではなくて、暗闇が怖いとか、意味が分からなくて怖いとか、正体が分からないとか。そういう理解できない、言葉で説明できない怖さが。

デジタル・スタジアム。現在は「デジスタ・ティーンズ」と改称

―― それと音楽の方向性が一致してますよね。

こんP その辺は子供っぽさということで収まることだと思います。仕上げないであるがまま、放り出してしまうような感覚。言葉に出す前の自分の内側にある、ぐちゃーっとしたものですね。

―― そこは自分でも意識しているんですね?

こんP 自分の憧れでもあるんです。アウトサイダー・アートのようなものは。下手に常識的になっちゃうとできなくなっちゃうから。だから、もっと戻りたい。もっと下手になりたい。言葉じゃないもの。ここの中にあるような(胸のあたりを掴みながら)もっと具体的じゃない、意味の分からないものを出していきたい。何かさっきから「意味が分からない」としか言っていない気がするんですけど。

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