四本淑三の「ミュージック・ギークス！」 第26回

ニコニコ動画に隠れた、生の芸術　「ジャガボンゴ」の魅力を探る

伝えようとしないことで、伝わるものがある

――　ひょっとして、伝えたいものはないってことですか？

こんP　ないですね。ラブソングみたいなものを作ろうと思ったことはないし、近づこうと思ったこともない。

ラブソングみたいなものに近づこうと思ったこともない

鈴鳴　そこがいいところだと思うんですよ。変なメッセージ性がないので、聴いていてイタイと思うことがない。

――　何も言っていないのに伝わっているのは面白いですね。たとえばメッセージがない人間は表現をやるなと言うけど、こんぺいとうPは何も言ってはいない。

こんP　言われてみればぼくはそうです、確かに。ただ音として出しているだけで。

――　でもそれが結果的に、こんぺいとうPの表現として伝わっているわけですよ。

こんP　伝えようとはしていないけど、キャッチする人がどこかにいるんですかね。

――　ほら、そこにいるじゃないですか（鈴鳴さんを指さす）。

鈴鳴　そこは本当にたまらないところですよ。彼の感性そのものを受け取ることが。

こんP　そういえば鈴鳴さんの動画に「じゃがぼんご族」っていうコメントがありましたよね。それで逆に気がつきました。そうか、これは民族だったのかって。

――　聴き手側の解釈で、自分の意図に気づくこともある、ということですね。ところで最近ニコニコ動画に作品をアップする頻度が落ちている気がするんですが。

こんP　ツイッターにMP3をアップ出来るサービスがあるので、そこにアップしたらもういいやという^※。ただニコ動も捨てたわけではないです。

^{※ ツイッターでMP3をアップするサービス : 「twaud.io」（ツイット・オーディオ）。MP3をアップロードして、そのままツイッターで発言できる。ツイッターに写真を投稿する「Twitpic」の音楽版}

――　動画を作るのが大変とか？

こんP　そういう意味では本格的に動画はやりたいです。ビデオカメラが欲しいとか、After Effect（ビデオ編集ソフト）が欲しいとか。それが夢といえば夢ですね。

鈴鳴　この人にそういう使える武器を与えると大変なことになりますよ。

――　では大変なことになるのを期待しましょう。今日はありがとうございました！

（それでは最後に、こんぺいとうPが選ぶ名盤ベスト7をお楽しみください）