米マイクロソフトが開発中の「Internet Explorer 9」(IE9)で、HTML5のCanvas/Video/AudioおよびWebフォントがサポートされることが分かった。同社が米国現地時間23日に公開した「Platform Preview 3」(PP3)で実装された。
HTML5 Canvas/Video/Audioは一部で「Flashの代替技術」と表現されることもあるHTML5の目玉機能だ。CanvasはJavaScriptを使って図形を描く機能で、VideoとAudioはプラグインを使わずに動画や音声を再生できる。PP3の時点でIE9がサポートする動画・音声フォーマットと他のブラウザーの対応状況は以下のとおり。
Video | Audio | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
H.264 | Theora | wave | ogg | mp3 | AAC | |
Opera 10.5 | × | ○ | ○ | ○ | × | × |
Safari 4 | ○ | × | ○ | × | ○ | ○ |
Google Chrome 5 | ○ | ○ | × | ○ | ○ | ○ |
Firefox 3.6 | × | ○ | ○ | ○ | × | × |
IE9(PP3) | ○ | × | × | × | ○ | ○ |
フォントデータをサーバーからダウンロードして表示する「Webフォント」にも本格対応した。従来はEOT(Embedded Open Type)と呼ばれるマイクロソフト独自フォーマットしか利用できなかったが(関連記事)、PP3ではFirefoxやOperaがサポートするWOFF(Web Open Font Format)に対応。クロスブラウザー環境でWebフォントを手軽に利用できるようになる。
マイクロソフトは3月に開催された開発者向けカンファレンス「MIX10」において、IE9でHTML5をサポートすると宣言(関連記事)。IE7以降、緩やかに進めてきたWeb標準へ対応する流れを加速させる方針を示していた。他のブラウザーに比べて実装が遅れていたIEがCanvasやVideo/Audioに対応することで、HTML5の普及へ弾みがつきそうだ。
