6月23日、シマンテックは「スケーラブル・ファイルサーバー・ソフトウェア」を謳う「Symantec FileStore」を発表した。富士通のIAサーバー「PRIMERGY」とストレージ製品「ETERNUS」に搭載し、スケールアウト型のファイルサーバーとして提供する。
95%にあたる非構造化データをどう管理する?
2010年5月にシマンテックの代表取締役社長に就任した河村浩明氏はスマートフォンやSNSなどが企業システムに組み込まれていく「ITのコンシューマ化」とSaaSやインフラがデータセンターに移行する「クラウドコンピューティング」というトレンドを紹介。「クラウドのなかで膨大なデータのやりとりが発生している。それらのセキュリティをどのように担保していくか、どのようにサーバー/ストレージを管理していくかが、現在のわれわれにとって重要な課題」と語る。
このうち、データ管理に関して見ると「高速に処理しなければならないミッションクリティカルなデータは全体の5%に過ぎない。残りの95%にあたる非構造化データはNASやファイルサーバーに収められており、年々すごい勢いで増えている」(河村氏)という状況だ。こうしたファイルストレージの課題を解決するのが、Symantec FileStoreになる。
今回発表されたSymantec FileStoreは、「スケーラブル・ファイルサーバー・ソフトウェア」を謳うファイルサーバー統合ソフトウェア。昨年10月に米国で発表されたもので、旧ベリタスのクラスタ管理やボリューム管理、ファイルシステムなどの技術を元に、ファイルの階層化管理、動的なマイグレーションや拡張、レプリケーション、スナップショットなどの機能を提供する。
製品は富士通のハードウェアに搭載したアプライアンスの形態で提供され、ゲートウェイとして既存のストレージを仮想的に束ねる役割を果たす。最大16ノードまでのクラスタ構成が可能で、最大2PBまでの容量を扱えるという。
発表会においては、Symantec FileStoreを搭載したハードウェアを提供する富士通のストレージシステム事業本部 本部長代理 松島等氏も登壇し、同社の取り組みを説明した。
Symantec FileStoreを搭載するハードウェアは、Xeon 5600番台を搭載する2Uのラックマウント型サーバー「PRIMERGY RX300 S6」と、省エネ性能に優れたディスクアレイ装置「ETERNUS DXシリーズ」が採用された。松島氏は「世界で一番厳しい弊社の製品検証をしっかり通った製品で、性能などもコミットして出していきたい」と述べ、比較的小さい規模からスケールアウト型で拡張していく顧客のニーズに応えていくとしてる。