写真もゲームも3Dで楽しめる!
前ページでは動画の3D映像表示に注目してみたが、FH550/3AMで3D表示できるのは動画だけではない。なんとごく普通の2D写真やパソコンゲームまで、3D映像にできるのだ。FH550/3AMにプレインストールされている、「TriDef 3D」というソフトがそれを実現する。
まずは写真の3D表示を試してみよう。と言っても、やることは簡単。FH550/3AMのエクスプローラー上で見たい画像ファイルを右クリックしてみると、表示されるメニューに「TriDef 3D Media Playerで再生」という項目があるので、それを選択するだけ。
写真を3Dで表示するには、画像ファイルを右クリックして、メニューから「TriDef~」(赤枠部)を選ぶだけ |
するとTriDef 3D Media Playerが起動して、写真が3D映像化されて表示される。フォトビューワーとしての機能は最低限だが、簡単に写真の3D化が楽しめる。
遠藤チェック その③「3D写真」
ごく普通のデジカメ写真が立体写真に!
遠藤は用意された何枚かの写真を3D表示で見比べる。どれも元はごく普通の写真で、3D撮影対応カメラで撮られたものは1枚もないが、これが驚くほど立体的に見えるのが不思議だ。特にラスベガスの夜景写真や、編隊飛行する飛行機と背後の緑野といった写真は、面白いほど奥行きが感じられる。
写真が3D化されて表示される。意外なほどはっきりと奥行き感が出て、立体的な写真を楽しめる |
遠藤の評「2Dの写真がソフトひとつでこんなに立体的に見えるのは驚き。3D映像と言えば、イコール動画という印象が強いが、なかなかどうして写真の立体化も面白いじゃないか。特別なカメラは必要ないというのも嬉しいね。観光地で撮ったスナップ写真を立体化して見る、なんてのも楽しそうだ」
続いてはゲームの3D映像化を試してみよう。とは言え、遠藤には今時のパソコン向けアクションゲームは難しいし、FH550/3AM自体が3Dグラフィック負荷の高いゲームを動かすには力不足なので、今回はマイクロソフトの「Bing Maps 3D」(旧名Virtual Earth)を試してみた。
Bing Maps 3Dの画面の例。世界の主要都市の建物まで立体化されている。画面は米国シアトル市を見た様子。FH550/3AMなら、この立体地図ソフトを3D映像で楽しめる |
ゲームの3D映像化には、TriDef 3Dの機能である「3D Game Driver for Fujitsu」を使う。使い方自体は簡単で、3D映像化したいゲームを3D Game Driverに登録し、遊ぶ際にはそこから起動するだけでいい。あらかじめ3D Game Driverに登録されているゲームなら、登録したソフトのプロパティで「ゲームのプロファイル」のリストからそのゲームを選べばいい。基本はこれだけ。登録されていないゲームの場合も、デフォルト設定のまま動く場合もある。ただし、すべてのゲームの3D映像化が可能なわけではないので、注意が必要だ。
「3D Game Driver」の画面。登録したゲームはここから起動すると、自動で3D映像化されて表示される | 各ゲームのプロパティ画面。Bing Maps 3Dの場合、「ゲームのプロファイル」で旧名の「Virtual Earth」を選ぶ |
遠藤チェック その③「3Dゲーム」
さすがにゲームの立体化は迫力が違う!
遠藤は3D Game DriverからBing Maps 3Dを起動する。最初は宇宙から見た地球儀のような状態なので、東京付近を選んでどんどん画面を拡大していく。そして新宿周辺が見えてくると、周辺の高層ビル街がCGになって見えてきた。さらに視点を低くして、人間の目線のような位置で見てみると……、「これはすごい!」との歓声があがる。思わず身を乗り出して画面をのぞき込む遠藤。
3D映像化された西新宿の高層ビル街を、思わず身を乗り出して見る遠藤。元々立体として作られている3Dゲームは、3D映像との親和性も高い |
DVDや写真の3D映像化と異なり、ゲームは元のデータが奥行き方向のデータを持つだけに、3D映像化との親和性が非常に高い。建ち並ぶビルが立体的に見え、通常の2D画面での表示とはまったく違った臨場感が感じられる。遠藤も思わず熱中して、あちこち見て回り始める。
通常のBing Maps 3Dで新宿高層ビル街を表示した様子 | 3Dで表示した画面を3Dメガネなしで見るとこのとおり。手前のビルほど左右のブレが少なく、遠くのビルほどブレが大きいのがわかる |
地形データの限界で、現実の東京そっくり……まではいかないが、3D映像化された画像の立体感は、単にパソコンの画面で見るCGの画像とは比較にならないほどだ。Bing Maps 3D自体が、世界の大都市の地形やビル街、大きな建造物を再現しているので、見ていても飽きないのが楽しい。
すっかりはまってしまい、あちこちを見て回る遠藤。写真はレインボーブリッジ上空から都心方向を見た様子 |
FH550/3AM付属ソフトの「タッチで熱帯魚!」も、3D映像で見ると2Dとは違った面白さを味わえる。水槽内の岩やサンゴの位置関係が立体的に見え、その間を熱帯魚が優雅に泳ぐ様子が楽しめる。水槽という狭い空間を舞台にしたソフトながら、立体感はなかなかのものだ。
遠藤の評「Bing Maps 3Dの立体感は素直にすごい! 自分が訪れたことのある海外の街を3D映像で見ていると、時間が経つのも忘れて楽しめる。私はゲームはやらないのであまり期待していなかったが、CGを使ったこういうソフトも3D映像でより楽しめるというのは、嬉しい発見だね」
内蔵ウェブカメラで3D写真を撮影!
撮った写真や動画はFH550/3AM同士で共有も
FH550/3AMのディスプレー上部に搭載された3Dカメラ。左横の穴はマイク |
FH550/3AMでは3D映像を「見る」「変える」だけでなく、自分で「作る」こともできる。一般的な一体型デスクトップのウェブカメラがある場所に、FH550/3AMでは2つのレンズを備えた3Dカメラを搭載。プレインストールソフト「3Dカメラビューアー」を使って、簡単に3D映像を撮影できるのだ。
3Dカメラビューアーの使い方は簡単で、画面に表示された被写体を見ながら、「スナップショット」で静止画、「キャプチャー」で動画を撮影できる。プリクラのように、額縁や効果をつけてデコレーションしたり、手書きメッセージを加えた写真や動画も撮れる。もちろん3D映像だけでなく2Dの写真/動画も撮影可能だ。
3Dカメラビューアーでは、写真や動画を3D映像で撮れる | プリクラ風に写真や動画をデコレーションすることもできるし、マウスで手書き文字も加えられる |
作成した3D写真/動画は撮影したFH550/3AMで見るだけでなく、DVDを作成したり、写真ならメールに添付して送信することも可能である。相手が同じFH550/3AMを持っている場合に限るが、メールやDVD、BDで自作の3D映像を送り楽しんでもらえるわけだ。例えば赤ちゃんの3D映像を撮影して、それを離れたところに住む祖父母に送り、かわいい孫の姿を3D映像で楽しんでもらう、なんてこともできる。ただの写真や動画よりも好評を博すこと疑いなしだ。
遠藤チェック その④
パソコンだけで3D動画を撮れるのは新しい!
「なに? これで3D写真が撮れるの?」と興味津々の遠藤。3Dカメラビューアーを起動すると、カメラの前でおどけたりピースしたりと実に楽しそうだ。カメラは固定式なので、パソコンの正面にあるものしか撮れないのは残念そうだが、ウェブカメラでも3D映像で撮れると、また違った面白さがある。将来、ソフトが対応して3Dでの動画配信も可能になれば、例えば撮った3D映像をその場でYouTubeにアップロード、なんてことも可能になるかもしれないと、夢はふくらむ。
3Dカメラビューワーを使い、自分の3D映像を撮る遠藤。くす玉やアメコミ風笑い声の文字がデコレーションされるアニメが気に入ったようで、何度も撮っている |