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古田雄介の“顔の見えるインターネット” 第74回

「理想の社会」って何それ? スタンダード反社会学な考え方

2010年06月22日 12時00分更新

文● 古田雄介

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はじめから書籍化をめざしていた

―― サイトをはじめたきっかけを教えてください。

パオロ まず最初に「反社会学講座」という本にするつもりで原稿をまとめていたものがあり、色々な出版社に持ち込んでいたんですけど、どうもかんばしくなくて。でも、出来映えに自信はあったので、「これをお蔵入りにするのは悲しいな」という思いから、インターネットで公開することを思い立ったんです。それで、HTMLの入門書みたいなものを買って勉強しながら、手探りで作っていった感じです。とにかく手元にある1回から8回の原稿を公開して皆に見てもらうと考えたんですね。

―― なるほど。それで第8回を公開した2003年3月からしばらくは更新がストップしていたんですね。

パオロ 別の仕事が忙しくてほったらかしにしていたんです。でも、その間に「面白い」と言ってくれる人が出てきたらしく、それが出版社の人の耳に入ったのか「本にしませんか?」とお誘いを受けたんです。それで、第9回以降を書き足して、サイトでも順次公開しながら本を作っていったんです。当初の目的からするとけっこう回り道でしたが、お蔵入りさえ考えていた状況からすると、ありがたい結果となりました。

イースト・プレスから「反社会学講座」を刊行したのは2004年6月。この書籍をきっかけに、文筆業1本で生計を立てるようになったという。2007年7月には大幅加筆を経て、筑摩書房から文庫版(写真)として再発行している

―― 第1回からかなり綿密な情報収集と精査のうえで執筆されているのが伺えます。それに加え、文章の構成も完成度が高いのですが、調査だけでなく文章も以前からプロだったんですか?

パオロ 一応、別ジャンルで執筆の仕事もしていたのでプロといえばプロでした。ただ、そういう経歴がなくても、反社会学講座はプロの作品として世に出す方向で考えていたでしょうね。昔から、本腰を入れて何かを作るならアマチュアではなくプロとしてやっていくべきと思っているんですよ。だから、反社会学講座をホームページで公開したときも、それで終わるつもりはなく、いつかは本にしようという目論見があったんです。

 個人のサイトやブログで発表するのはアマチュアの活動に似ていますが、プロになる足がかりとしては良い手段ですよね。そういう意味では、もっと宣伝して広める努力もすべきだったんでしょうけど、ホームページを作るのだけで精一杯でした(笑)。

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