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ユーザー目線のSEO対策「ヒマワリ思考法」 (3/3)

2010年06月18日 10時00分更新

文●小池 勉/コンテンツブレイン

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セカンドキーワードを探しながらサイトの情報設計を考えよう

 私が最近、企業内のサイトマスターの方々とのミーティングでよく話をするのは「セカンドキーワード」という考え方です。「メインキーワード」は、探している情報をズバリ示すキーワード。一方、ユーザーの欲求や目的を絞り込むために使われるキーワードを、私は「セカンドキーワード」と呼んでいます。

 似たものに、「ビッグキーワード」「スモールキーワード」という言葉がありますが、私のいうセカンドキーワードとは考え方が少し違います。ビッグキーワードが「自動車」とすれば、スモールキーワードは「軽自動車」「四輪駆動」のようにより狭いカテゴリを指すものです。

 私のいうセカンドキーワードとは、たとえばコーヒーのキリマンジャロの味について調べたいとき、「キリマンジャロ 味」などと検索しますよね。価格を調べたいなら「キリマンジャロ 特価」、山について調べたいなら「キリマンジャロ 山 標高」などとなります。「キリマンジャロ」というメインキーワードと一緒に並べる「味」「特価」「山」のようなものがセカンドキーワードになるわけです。みなさんも検索をするときには、メインキーワードとセカンドキーワードを自然に組み合わせているのではないでしょうか? 


 だからこそセカンドキーワードの策定が、効果的な集客に役立ちます。そして、本来の目的である「ユーザーは求めている情報にすばやくアクセスできる」「企業は伝えたい人を呼びこめる」ことが実現できるわけです。

 メインキーワードとセカンドキーワードの関係を図にすると、下のようなヒマワリの花のような形になります。中央にメインキーワードが位置し、その周辺にセカンドキーワードが囲んでいます。このようなヒマワリ型の図を書きながら、私は「来訪者はそのキーワードで何を探すだろうか」「どういう情報を求めているのか」などを考えています。


 上のヒマワリの図は「お茶」をテーマにして作った具体例です。お茶に関するサイトは無数にありますので、自社サイトに呼び込むためのセカンドキーワードを考えていきます。

 お茶を安く買いたいなら「特価」「通販」などで検索するでしょう。お茶の知識を得たい場合は「種類」「効能」「成分」などがセカンドキーワードになります。こうして自社サイトに合うセカンドキーワードを探していきます。

 セカンドキーワードをリストアップしたら、「その先にどのような情報があればよいか」を考えていきます。たとえば「お茶 種類」であれば「お茶に関する百科事典的なコンテンツ」がないとユーザーはがっかりします。

 このようにセカンドキーワードを策定する作業を通せば、サイトの情報設計も見えてきます。逆に情報設計を策定してから、セカンドキーワードを洗い出してもかまいません。サイトマスターは「検索サイト対策」と「サイトの情報設計」をバラバラに捉えず、セットで考えるとよいわけです。


 私はサイトマスターの皆さんとこの話をするとき、マーケット用語でいう「シーズ」と「ニーズ」のことを相談します。シーズとは「企業が提供する価値=告知したい情報」、ニーズとは「ユーザーの希望=知りたい情報」のこと。この2つをマッチングさせるのがサイトの情報設計の基本ではないでしょうか。

 もともとニーズとシーズは、一致しません。ユーザーの希望と企業の訴えたいことがぴったり重なるなんて、滅多にないことだからです。ですから、企業サイトでは「まずニーズに応えて、シーズを提供する」手法が必要なのです。お茶の例で言えば、まずユーザーの望む情報を用意しておいて、それを読み終えた後に自然に「自社のおすすめ製品」の情報が目に飛び込んでくるといった見せ方です。

 このセカンドキーワードも、ニーズとシーズをマッチングさせる手段のひとつです。


今回の法則:「検索サイト対策」の法則

『SEO対策は情報設計とセットで考えると成功する』


 次回はサイトの情報設計について考えたいと思います。


著者:小池 勉(こいけ・つとむ)

株式会社コンテンツブレイン 代表取締役社長、株式会社サステナブル 代表取締役。Webマーケティングプランナー。家電、自動車からアパレル、食品、ブライダル、クレジットカード、PCメーカー、部品メーカーまでさまざまなジャンルのサイトプランニングを数多く手掛ける。またWebにおけるCRM戦略の立案、アイトラッキングを活用したWebコミュニケーション効率化なども行なっている。


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