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“JAXAの真田ぁ~ず”に総力インタビュー! 第1回

祝帰還!「はやぶさ」7年50億kmのミッション完全解説【その1】

2010年06月13日 06時00分更新

文● 秋山文野 撮影●小林伸ほか 協力●JAXA/ジャンプトゥスペース

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2003年5月9日――打ち上げ! MUSES-Cから「はやぶさ」へ

 7年前の2003年5月9日、M-Vロケットにて鹿児島県内之浦 鹿児島宇宙観測研究所より「第20号科学衛星 MUSES-C」は打ち上げられた。衛星分離、太陽電池パネル展開、サンプラーホーン進展と順調に進み、軌道投入確認後に探査機「はやぶさ」の名称が決定する。

 命名の由来は、探査機が小惑星の表面を採取する様子を、隼が獲物を捕らえてさっと舞い上がる様子になぞらえたもの。また、当時内之浦へと向かう寝台特急「はやぶさ」や、薩摩隼人の「隼」といった理由もあったとか。


藤原 上杉先生や川口先生、宇宙研の方々はいろんな打ち上げの経験をされてますが、僕はスペースミッションの経験がない、外から入ったサイエンスの人間ですから、打ち上げは初めてだったんですよ。見るも聞くも初めてでした。


安部 打ち上げのときは、探査機ばかりじゃなく、ロケット担当の方々もいるわけですからたくさん集まってくる。何週間も皆が内之浦で一堂に会して、そして打ち上げを行なう。そういうところで、これだけの人たちが支えているんだというのを実感しましたね。


宇宙研の父、イトカワと命名

 さらに2003年8月 国際天文学連合(IAU)は、「はやぶさ」チームからの要望を受け、小惑星1998SF36に宇宙研創設者 糸川英夫教授の名を取って「イトカワ」と命名することを承認した。


藤原 糸川先生の名前にしたいと強く主張されたのは上杉先生ですね。昔から宇宙研にいらっしゃった工学の先生ですし。そしてIAU(国際天文学連合)に提案する役割を僕が引き受けました。どういう理由でその名前を付けるのかといった申請書を書くわけです。

 小惑星の名前というのは、まあ暗黙の決まりで、神様の名前を付けるとかいったルールがあって。人間の名前は付けるのは、近地球型の小惑星にはそぐわないのではないか、とおっしゃった方もいたみたいで、いろいろありましたけど最終的には無事通りました。


次回予告!

 ついに打ち上げられた「はやぶさ」は一路、イトカワを目指す。

 明日は、「はやぶさ」に収められた数々の機器の解説、そしてイトカワ接近までを追う。イオンエンジン搭載の経緯、各種光学機器の役割など、つつましい倹約プロジェクトだった「はやぶさ」ならではのエピソード満載でお送りする。


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