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WWDC 2010 基調講演は「予想以上にiPhone一色」

2010年06月09日 12時00分更新

文● 千種菊理

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iPhone 4 8つの新機能を徹底解説!

 さて今回の目玉は、もちろん「iPhone 4」だ。

 期待も高まる中、ジョブズは「最も美しい製品」と呼んで、実機が登場した。iPhone 3GSのような柔らかな曲線を多用したデザインではなく、フラットでシャープな平面で構成した新端末が現れると、会場から大きな歓声が起こる。

 ジョブズは、iPhone 4について、8つの新機能があると宣言してその1つ1つを順に説明していった。


1.すべてが新しいデザイン

残念ながら心ないブロガーによりリークされてしまったが、それよりブラッシュアップされて、魅力的に仕上げられた新しい筐体が披露された

厚さはこれまでのiPhoneより24%も薄い9.3mmで、背面だけではなく前面にもカメラを用意した

本体の側面は、強化されたステンレス鋼で囲まれている。その途中には、継ぎ目のない外観デザインにこだわるアップルにしては珍しく、3つの溝がある

こうした工程上の「醜さ」を嫌い続けてきたジョブズ自らがセルフパロディーとして3つの溝を指摘すると、会場から軽く笑いが起こる

その笑いが収まったときに語られたのは、「これがアンテナだ」という事実だった。Bluetoothや無線LAN、携帯のアンテナと統合されており、より感度が向上したという


2. 高精細の液晶

iPhone 4は、iPhone 3GSの4倍に相当する960×640ドットの液晶を搭載。密度にして326ppi(ピクセル/インチ)の高密度になる

これによりより、なめらかで美しい表示を実現したという。文字はよりシャープに映し出され、画像もiPhone 4/iPhone3GSを並べればはっきり違いが分かるとのこと

アップルはこれを「Ratina Display」(網膜ディスプレー)と名付けた

網膜で認識できるのが300ppi程度のためジャギー(ドット表示から来るがたがた)が見えないものとしている


3. A4プロセッサー搭載

iPadと同じA4プロセッサーを搭載。GPUやハードウェアエンコーダーと合わせて、前述した高解像度液晶における画面描画(レンダリング)や、この後に出てくるHD動画の取り扱いを実現している

iPhone 4の内部構造とA4チップの位置


4. ジャイロスコープ搭載

3軸のジャイロスコープが搭載され、傾きを検出できるようになった

積み木崩しのゲームをデモした。ほかのゲーム機とは異なりボタンやスティックと言った固定的なコントローラを持たないiPhoneにとって、動きの検出は画面のタッチと並んで重要な操作方法だ

加速度センサーやコンパスなどと組み合わせてより多くの動きを検出できれば、操作方法も増やせる。より自然で独創的なアプリ、特にゲームの登場が期待される


5. HD録画対応の高精細度カメラ

500万画素で、HD動画の録画可能なカメラを搭載。5倍のデジタルズームを備え、指で指し示したところを拡大して撮影できるなど使い勝手も向上した

フラッシュにも対応。もちろんAdobeのFlashではなく、撮影時に光るあのフラッシュである。LEDによる照射で暗いところでの撮影も楽になった

720p(1280×720ドット)/毎秒30コマに対応したHD録画機能も、単に録画できると言うだけではなく、簡単な編集も可能。加えて、動画編集アプリ「iMovie for iPhone」も発表した

iMovieはMacの付属ソフトで、これがiPhone上に移植された。動画と動画をつなぐ、文字を載せる、エフェクトを適用するといった、手のひら上で使うには十分すぎる機能だ。価格は4.99ドルでApp Storeから購入できるようになる

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