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β表記がはずれたBaidu Typeに迫る

2010年06月09日 09時00分更新

文● まつもとあつし

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ユーザーからの「生の」声を取り入れている

── 市販のIMEにも備わっている機能が追加されて、かつ速度・精度向上が図られたというのは、ユーザーには朗報ですね。その他ユーザーからの要望はどのようにヒアリングしているのでしょうか?

岡部 「Baidu Type公式のTwitterアカウント(@baidutype)を用意し、弊社からのアナウンスだけでなく、利用者の意見を採り入れる取り組みを続けています。

 例えば4月5日~19日には『お願い☆一発変換』キャンペーンを実施しました。これはTwitterユーザーから『こういう言葉がBaidu Typeで一発で変換されてほしい』という要望を募り、その中から秀逸な案にプレゼントを提供するというものです。総数で756件の申し込みがありました。

 いただいた要望については、随時変換候補として採用していっています。もちろんキャンペーンの後も、Twitterでのやり取りを通じてユーザーとの交流を図っています。

 Twitterキャンペーンを通じて、インストールベースは2桁成長、βリリース時からは3から4倍の規模となり、手応えを感じているところです」

Twitterでのリプライより。ここにあるように現状の正式版でも64bit環境には非対応だが、Twitterでのやりとりはいわゆる「中華系サービス」にありがちな、突き放したような対応ではない

── ユーザーとの交流の中から、見えてきた「Baidu Type」のユーザー層のイメージはありますか?

岡部 ウェブ上のリソースから変換候補を抽出するという手法から、どうしてもGoogle 日本語入力と比較されることが多いのですが、実際ユーザー様からの要望などを見ていると、やはり、よりライトで、カジュアルな使い方をされている方が多いという印象です。

 PCを使い始めて間もなかったり、Twitterやチャットでちょっと友人とやり取りしたりとか、ブログで日記を書くといった利用シーンではないか、と感じているところです。

 Baidu Typeでも、許諾を得たユーザーからの変換情報を受信し、解析した上で、機能向上に役立てるという仕組みを採用しています。かなり短い文節や単語単位で変換を行っている傾向が見てとれ、そこからもカジュアルユース中心であると推測しています。

 また、お客様と直接お話しさせて頂くと『MS-Wordでは他のIMEを使い、ブログやチャットなどではBaidu Typeを使う』というコメントもありました。

 Baidu Typeも基本的な設計手法は、他のIMEとおそらく変わらないアプローチを取っているのですが、いずれにしても、こういったユーザーの特徴も踏まえつつ、β当初からこだわっている表示方式や、今回正式版で取り入れたオプション辞書など、UIやアドオンの部分で差別化を図っていきます」

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