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β表記がはずれたBaidu Typeに迫る

2010年06月09日 09時00分更新

文● まつもとあつし

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 中国最大のポータルサイト「百度」(Baidu)。Googleが中国からの撤退を決定し、中国市場での存在感をさらに増している。その百度の日本法人バイドゥ株式会社が独自に展開するのが「Baidu Type」だ。

 昨年末、Google日本語入力と歩調を合わせるかのように登場したBaidu Type。

 Baiduは中国では独自のIMEを提供していないこともあり、ユーザーからは正直、意外さをもって迎えられた印象すらある。Baidu Typeはその後も改良を加え、先日β表記を取り正式版になった。Google日本語入力は記事執筆時点でまだβ表記は取れていない。

 登場直後にも、担当者にその狙いを尋ねた(関連記事)が、今回は正式版の完成度や今後の狙いなどを聞いてみよう。


流行語カバー率「81%」

── 登場直後のインプレッションやインタビューでお聞きした内容を踏まえて、以前の記事で「Baidu Typeは“楽しい日本語入力”を目指す」つまり、カジュアルな利用シーンで気軽に使えるIMEだとまとめました。正式版はどのように進化したのでしょうか?

バイドゥ株式会社 プロダクト事業部の岡部 馨さん。Baidu Typeの企画を担当した

岡部 「ソースコード全体を見直すことで、安定性と変換精度の向上を図りました。起動と変換候補が表示されるまでの時間が約半分(ユーザー環境によるが40~60%)に短縮されています。

 変換精度は、β版では83.6%の確率で意図した変換候補が表示されていたのに対し、正式版では86.5%に向上しています。

 Baidu Typeの大きな特徴である、ホットワード(流行語)のカバー率も向上し、78%から81%となりました。

 ホットワードの鮮度を維持するため、現在は2週間に一度辞書のアップデートを実施しています。あまり頻度が高いと、ユーザーにとって負担になってしまいますので、適切なペースを模索中しているところです。

※数値はすべてBaidu調べ。流行語のカバー率は、Yahoo! JAPANの検索ランキングのキーワードを1ヵ月分抽出し、Baidu Typeで一発で変換される頻度を計測。

── 機能面での向上はあるのでしょうか?

岡部 学習機能の向上を図りました。ユーザー辞書を追加できるようにしたほか、独自の機能として英語の変換候補を出すようになりました。またオプション辞書という特定のジャンルに特化した辞書をユーザーが選択し、追加することができるようになっています」

Baidu Typeが用意するオプション辞書

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