vPro搭載で業務停止時間と
管理者の負担を軽減
インテルでは、vProに対応したCore i5/i7をノートPC用CPUのラインアップに加えており、本製品で選択できるのもCore i3を除いてvPro対応のCPUとなっている。
vProとは、インテルのリモート管理機能「Intel AMT(アクティブ・マネジメント・テクノロジー)」や仮想化機能を提供する「Intel VT(バーチャライゼーション・テクノロジー)」といった機能を包括するブランド名だ。
例えばAMTでは、システム管理者はリモート管理ツールを用いて遠隔操作での監視や復旧作業にあたれるほか、スケジューリングした時間での電源のON/OFFを行うことができるため、この機能を使い、深夜などの指定した時刻に各クライアントPCの電源を自動的に投入し、OSやアプリケーションの更新といった作業が可能だ。
そして本製品では、第4世代となる最新vProに対応するArrandaleコアのCore i5/i7を採用している。
第4世代となるvProの目玉は、「KVMリモート・コントロール」という管理機能をハードウェアベースで実装したことにある。従来リモート操作に必要だったKVMスイッチが不要になったほか、OSがクラッシュしたり、Windowsのセーフモード時などでネットワーク機能が無効な状態であったりしてもリモート管理作業が行えるようになった。BIOS画面を遠隔地から参照・操作することも可能だ。
加えて、KVMリモート・コントロールでは、管理対象のvPro対応PCがファイアーウォール外にある場合でも、そのPCの画面と同じ画面を閲覧しながら遠隔管理をすることもできる。ただし、ファイアーウォール外から遠隔操作ができるかどうかは各企業のセキュリティポリシーに依存する。
そのほかにも「Intel AT(アンチセフト・テクノロジー)」により、ノートPCが盗難にあった場合は、遠隔操作で第三者のデータへのアクセスを禁止できる機能もあるが、本製品では未対応となっている。富士通には「CLEARSURE」という同等機能を提供するソリューションがあるのだが、それも本製品に搭載されていないので今後の対応に期待したい。
なおvProは、あくまでもハードウェアとして機能を利用できる仕組みを提供しているだけなので、実際に利用するには別途管理ツールが必要になる。
簡単な管理作業であれば、インテルが提供している「IT Director」や「System Defence Utility」などの無償ツールが使える。
高度な管理を行ううえでは、新しいvProに対応したサードパーティー性ツールも充実しており、すでにエムオーテックスの「LanScope Cat6」がKVMリモート・コントロールに対応し、ワンビの「トラストデリート」は盗難されたPCのデータを遠隔操作で消去する機能を実装している。
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