ほとんどのWindowsタブレットが、サイズや重さを考慮してか10インチ級のディスプレーを採用するのに対して、一部のメーカーは11~12インチ級のディスプレーを採用して、高解像度で広い画面をアピールしていた。ただし、重さは当然重くなり、1.5kg近い製品まである。もはや片手で持って使えるものではなく、タブレットの形態を選択した意味がないのではないか、と余計な心配をしてしまうほどだ。
Tegra搭載タブレットもちらほら出展
ほとんどがAtomかCULV版Core 2プロセッサーなどを搭載するWindowsタブレットとはいえ、それ以外のソリューションを選択したタブレット端末も当然ある。先述のASUSTeKのEP101TCもそのひとつ。台湾AMtekもインテル系CPUだけでなく、NVIDIA Tegra 2やFreescaleのプロセッサーを採用したタブレットを出展していた。
タブレットは多いが、ほとんどはAtom+Windows
タブレットに最適化された製品は来年か?
数の上では豊富だったタブレットの展示だったが、その内容は開催前の予想とは異なり、インテルの最新低消費電力プラットフォーム「Moorestown」を使ったタブレットや、OSにAndroidを採用したタブレットはあまりなかった。
会場を回ってみると、見かけるのはほとんどがWindows 7とAtom N400番台/Z500番台を搭載するタブレットで、言うなればネットブックからキーボードを取って、タッチパネルを付けただけのようなものだ。最新プラットフォームやWindows以外のOSを使った製品や試作機のラッシュを期待していた側としては、正直落胆した。
当初はスマートフォン用に登場したAndroidをタブレット向けに最適化するには、それなりの手間暇がかかる。アプリケーションやユーザーインターフェースをどうするかも考慮しなくてはならないとなれば、製品に搭載されるには少々時間がかかるだろう。また、インテルとしてはタブレット向けには、Moorestownよりも「Oak Trail」を推進していくようだから、これの登場まで新規プラットフォームでの開発は待った方が得策だ。
それらの理由が重なって、今年のCOMPUTEXに間に合った製品や試作機は、既存のプラットフォームに無難なWindows 7を組み合わせたものが主流となったのだろう。ユーザーにとっては使い慣れたOSとアプリケーションを利用できるし、機器ベンダー側にとっては、独自のソフトウェアを用意するコストが省けるというわけだ。
しかし、ペンや指での操作がしやすいように工夫されているとはいえ、素のWindows 7のままでは、タブレット端末として使いやすいとは言えない。これらの製品では、iPadの敵には到底なれないだろう。タブレットという機器の特性を生かした製品が登場してくるのは、しばらく時間がかかりそうだ。2011年のInternational CES 2011あたりには、大量出展されるかもしれない。
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