最悪の事態がメロン号を襲った!
その知らせは、突然に訪れた。筆者は用事を済ませた後、すこし遅れて北愛国サービスパークに入ったが、チームテントに向かって歩いていたときに田中選手から携帯電話にTEL。「すいません、ミッションが壊れて自走不可になってしまいました。リタイヤです……」やはり、最後まで保たなかったか……。
そこは、デイ2最初のSS12「オトフケ」、スタートから約1.4km地点。それまでだましだまし扱っていたミッションから衝撃音が響き、いくらアクセルを踏んでもまったく前に進むことができなくなったという。そこはちょうど観客席の目の前だったらしく、後でネットをチェックしてみると、後続の邪魔にならないよう路肩に寄せて停止しているメロン号の写真をいくつか見つけることができた。そのポイントは路面が非常にやわらかく、毎年深いワダチが刻まれることで有名なセクション。おそらくこの区間に入った瞬間、駆動系に想像以上の負担がかかり、傷ついていたミッション内部のギヤがついに破壊されてしまったのだろう。最終日であるデイ2でのリタイヤとなるので、スーパーラリー(最終日を除いて、リタイヤしたマシンは規定時間内に修復できれば、翌朝から再出走できるシステム)を適用しての再出走はできない。メロンブックス・インテグラの「ラリー北海道」挑戦は、こうして終わりを迎えたのだった。
今年度の活動で、ひとつの重要局面だった「ラリー北海道」をノーポイントで終わった、メロンブックス・ラリーチャレンジ。2008年以来のシリーズ入賞を目標としている我々にとって、大きなポイント獲得が期待できた「ラリー北海道」でポイントを獲れなかったのは非常に痛い。この先、ターマック3戦、グラベル1戦の参戦予定がひかえているが、いずれも獲得ポイントは係数の関係で「ラリー北海道」の半分以下となることが予想されており、たとえいずれかのイベントで優勝できたとしても、今回の「ラリー北海道」で入賞したチームの獲得ポイントに遠く及ばないためだ。ある意味、シリーズの行方に黄信号がともったといっても過言ではないだろう。我々に残された道は、残る4つの参戦イベントにおいて目ざましい活躍をファンの前で見せることのみ!
そして、次の参戦イベントである全日本ラリー選手権第4戦「久万高原ラリー」(6月11~13日)が、もう間近にせまっている。すでにメロンブックス・インテグラは北海道で負ったダメージの修復を終え、ターマック仕様への変更を済ませてテストを開始した。SRSからの報告によると、今のところ目だったトラブルはなく、マシンは絶好調とのことだ。
次戦「久万高原ラリー」の見どころ
JRC第4戦「久万高原ラリー」は、四国の屋根といわれる石鎚山系の西麓、愛媛県久万高原町を舞台に開催されるターマックイベントだ。標高1000m近い美川スキー場を拠点として、周辺の山岳路をめぐる全10SS、総走行距離221.52kmで争われる。このうち、名物の「美川」ステージは国内ターマックイベントでは最長となる24.38kmの長さを誇っており、「ラリー北海道」とはまた違った意味で、マシンとクルーのタフさが試されるイベントとなるだろう。
ギャラリーステージは12日(土)、13日(日)の両日に設定されており、観戦料は2000円。大川嶺牧場など、まるでアルプスを思わせるような雄大な風景のなか観戦を楽しめることで人気のイベントだが、今年は残念ながら宮崎の口蹄疫の影響で大川嶺牧場をふくむいくつかのポイントが中止となってしまった。ただし、サービスパークからの入場が常時フリーとなる駐車場ポイントは、今年も変わらず開放されている。各マシンの全開アタックとサービス風景をストレスフリーで楽しめる、1回で2度おいしい観戦となるに違いない。
受付は美川スキー場駐車場にて。松山から久万高原町までバスが通っているが、久万高原町の市街地から美川スキー場まではタクシー以外に移動手段がなく、今回も自家用車もしくはバイクでの来場が必須となるだろう。途中の県道328号線は一部で見通しの悪い非常に狭い区間があり、対向車には十分に気をつけて安全運転で会場入りして欲しい。
会場では弁当や地元物産品などの販売ブースがいくつか設けられており、昼食も現地で確保可能だ。また今回もメロンブックスの出張販売ブースが設けられる予定となっており、新発売のグッズもいくつか用意されているそうなので、ぜひとも楽しみにして欲しいところ。もちろん数量限定なので、ゲットを狙う人は早めの会場入りを!
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