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痛車でラリー! メロンブックスインテ奮闘記 第5回

大自然の驚異の前に、メロン号は無念のリタイヤ

2010年06月04日 22時36分更新

文● 中村信博 ●写真/中島正義、中村信博

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 一方、メロン号のほうは淡々と各ステージを消化してクラス7番手。トップ集団からは1kmあたり3~4秒という大きな差がつけられており、これが通常のイベントならばこの時点で勝負ありを宣告されるだろう。でも、今回は長丁場の戦いとなる「ラリー北海道」。この先、かならず上位陣が崩れはじめる瞬間が訪れるはず。そのときがくることを信じて、メロン号はただひたすらに自分たちのペースを守りながら走り続けている。

 9時を回るころになると、陸別サービスの場内もぎっしりと各チームのテントで埋まった。APRCクラスに続いて、JRCクラスの各マシンも陸別エリア1ループ目を終えて続々とサービスに入ってくる。やがて泥だらけの姿で帰還したメロン号、さっそくメカニックが取り付いて各部チェックを開始。現在のところ、マシンの状態にまったく問題なし。コドライバーの田中直哉選手に状況を聞いてみると、「まあ、現状では順位はこんなものだと思いますよ」とのこと。どうやら眞貝選手のグラベルの経験不足を、田中選手がうまくカバーしてくれているようだ。そして、わずか20分のサービスを終えたメロン号は、陸別エリア2ループ目に向けてサービスを発っていった。

今回、ホスピタリティを共有してもらったマルシェチームの石田選手が、まずはサービスイン。限られた時間のなかで最大限のリペアを施して送り出す

続いてメロンブックス・インテグラも戻ってきた。あまり広くはない陸別サービスの場内は多くの人々やマシンが行きかい、まるで戦場のような喧騒に包まれる

 上位陣に大きな動きがあったのは、この陸別エリア2ループ目だった。まずSS5「シピリカキム・リバース2」、この25.12kmのステージで、6番手を走っていた曽根セリカがコースアウト。さらに5番手の上原淳ルノークリオが、何らかのアクシデントによって20分近いビハインドを背負ってフィニッシュにたどり着いたのである。待ち望んでいた上位陣のトラブルが、ついに始まったのだ! さらにSS6、25.25kmのロングステージ「クンネイワ・リバース2」では、クラス3番手を走っていた香川インテグラが足回り破損によりリタイヤ。当初の目論見どおり、メロン号はクラス4番手まで急浮上したのだ!

 だが、荒れきったステージを走り続けるメロン号にも、少しずつ負担が蓄積していた。この日2回目の陸別サービスに帰ってきた2人に話を聞くと、各ステージを終えてリエゾン(ステージとステージをつなぐ移動区間)を走っているときに、ミッションのあたりからかすかに異音が聞こえてくるという。わずか20分の陸別サービスでは、ミッションオイルを交換しても内部を調査できるだけの時間が無い。このあとは北愛国に戻ってこの日の最終サービス(45分)を受けることになるが、こちらならオイル交換と調査のため充分な時間がとれるだろう。ひとまず各部をチェックした後にメロン号を送り出したが、徐々にメロン号の行く先にも暗雲がたちこめてきたような感触だ。

メロン号、2度目の陸別帰還。ミッションを除けば、各部はまったく問題なし。このまま最後まで走りきってくれ、と祈るような気持ちでサービスから送り出した

 ミッションに不安を抱えたまま、陸別エリア3ループ目に出発したメロン号。その間、サービス隊は陸別リモートサービスを撤収して、急いで北愛国のメインサービスパークに戻る。その道中でSSタイム速報を携帯でチェックしてみると、メロン号は若干ペースを落としながら、ステージを着実に消化しているようだ。現状でも想定以上の順位で走行しているのだから、このままフィニッシュまで走りきることさえできれば、たとえ完走最下位でもチームとしてはまったく文句なしなのだ。そして、この日最後のショートステージSS11「オビヒロ3」、クラス2番手を走行していた鎌田ミラージュが駆動系トラブルによりリタイヤ! ついにメロン号は表彰圏内である3位に浮上し、いよいよ最後までマシンを保たせることだけが目標となってきた。

帯広にもどる途中、上利別小学校跡のリフューエルエリア(公式給油所)に立ち寄ってみた。ちょうどAPRCクラスの中団グループが給油中で、熱心なラリーファンがカメラを手にその様子を見学していた。これから北海道は観光シーズンをむかえるが、グラウンドにはエゾヤマザクラやエゾムラサキツツジが満開に咲き誇っている

 デイ1最後の45分サービスに、メロン号が帰還。このサービスを終えると、マシンは翌朝までオーバーナイト・パルクフェルメ(車両保管)に入り、いっさいマシンに手を触れることができなくなってしまう。さっそくメロン号をジャッキアップして、ルーティンチェックとともに予定していたミッションオイル交換を実施。抜いたオイルには目だった破片などは無かったが、大量の鉄粉がラメ模様のようになっており、ミッションのどこかに問題が出ていることをはっきり示していた。さらにサービスアウト直前、アンダーガード取り付けボルトの1本が折損しているのを発見。時間内での修正は不可能と判断して、アンダーガードをつけないままメロン号をパルクフェルメに送り込んだ。ガードは翌朝最初の10分サービスで取り付ければいいが、問題はミッション。このまま最後まで保ってくれたらいいが……。

北愛国サービスに無事帰還。泥で汚れてはいるが、見たところ外装にはほとんどダメージはない

さっそくジャッキアップの上で、アンダーガードを取り外してミッションオイル交換作業。同時に下回りのチェックも欠かさず行なう

翌日は昼間のステージばかりなので、ナイトステージのために装着していたライトポッドを取り外す

上位陣のリタイヤで3番手という好位置につけた反面、ミッションにトラブルの種を抱えて、嬉しさと心配が半々といった感じのドライバー眞貝選手。デイ2も無事に最後まで走りきってくれたらいいが……

リヤの足回りを一通りチェック。すべてのボルト&ナットにレンチを当てて、緩みや損傷がないかしっかりと確認していく

(次ページへ続く)

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