5インチベイや拡張スロットはツールフリー仕様
PC-A77FBのサイズは、22(W)×59(D)×57.2(H)cmで、重量は約9.2kgだ。ATX規格よりも大きな、Extended ATX規格やSSI CEB/EEB規格のマザーボードにも対応する。フルタワーケースとしては軽いほうだ。オールアルミ設計で、内部のシャーシもアルミでできているためだろう。カバーはブラックで塗装されているが、内部のシャーシは塗装されていない。
冷却性能にもこだわっており、フロントファンとして12cmファンを3基、リアファンとして12cmファンを1基搭載するほか、天面にも14cmファンを2基搭載。合計6基ものファンを搭載する。フロントファンと天面ファンは、羽根が透明で青色LEDが内蔵されており、電源を入れると美しく点灯する。
拡張ベイの自由度も高い。全段が5インチベイとなっているが、そこに3.5インチHDD専用ケージが3つ装着されている。HDD専用ケージは、1つあたり3台の3.5インチHDDを装着できるようになっており、合計で9台のHDDを搭載できる。HDD専用ケージを取り外せば、その分利用できる5インチベイが増える。5インチベイの上段3つ分は、ツールフリー仕様になっており、ドライバーなどの工具を使わずにドライブの着脱が可能だ。また、HDD専用ケージにHDDを固定する際に、付属のゴムブッシュと専用ネジを使うようになっており、HDDの振動がケースに伝わることを防げる。
電源ユニットは、最下部に配置されるようになっており、移動などの際に電源ユニットが外れることを防ぐために、上から抑える金具が用意されている。さらに、電源ユニットからのケーブルを整理するためのケーブルクランプも付属しており、ケーブルをきれいにまとめておける。拡張スロットは7つで、フタはツールフリー仕様になっており、工具を使わずに着脱できるので便利だ。
PC-A77FBは、奥行きも長いフルタワーケースなので、内部の空間には余裕がある。最大長さ36.5cmまでの拡張カードを装着できるとされているが、実際に長さ約31cmのRadeon HD 5970を装着してみたところ、3.5インチシャドウベイとのクリアランスは十分にあり、HDDと干渉することはなかった。また、中央のステーには拡張カードを固定するためのホルダーを取り付けられるようになっている。ハイエンドビデオカードのようにカードがカバーで覆われているものは、ホルダーでの固定はできないが、通常の拡張カードならホルダーで基板を抑えられるので、拡張カードの抜けを防げる。
PC-A77FBは、冷却性能と拡張性に優れたケースであり、高性能なCPUやGPUを搭載したハイエンドマシンはもちろん、サーバー用マザーボードにも対応しているので、サーバーマシンを組みたいという人にも向いている。
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