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Windows Serverで学ぶサーバOS入門 第19回

サイト管理とGCレスログオンを理解しよう

遠隔地の拠点でActive Directoryを運用するには?

2010年06月08日 08時00分更新

文● 横山哲也/グローバルナレッジネットワーク株式会社

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メディアからのインストール(IFM)

 新たにドメインコントローラを追加する場合、Active Directoryデータベース全体を完全に複製する必要があるため、一時的にネットワークトラフィックが増大する。同一サイト内であればトラフィック増の影響は少ないが、WANで結ばれた遠隔地ではほかの通信を圧迫してしまう危険がある。

 この問題を解決するのが、Windows Server 2003から導入された「IFM(Install From Media)」機能だ。IFMは、すでに動いているドメインコントローラのバックアップを外部メディア(CD-Rなど)に作成し、ほかのサーバにリストアする仕組みである。Active Directoryデータベースの情報もメディアに入れて持ち運べるため、ネットワークのトラフィックを大幅に削減できる。また、元のデータベースにグローバルカタログが含まれていたら、グローバルカタログも作成できる。ただし、抑制できるのは初期トラフィックだけであり、既存のドメインコントローラとの通信は必須である。

 IFMの利用方法は、Windows Server 2008とWindows Server 2003で若干異なる。まず、Windows Server 2008の場合は、

  1. NTDSUTILツールを起動し、リスト1のコマンドを実行
  2. リスト1●Windows Server 2008でIFMを利用するためのコマンド

  3. Active Directoryのインストールウィザードで「詳細インストール」を指定
  4. メディアからの複製を指定し、NTDSUTILで指定したフォルダを指定(画面12)
  5. 画面12●データベースを保存したメディアを選択する

となる。これに対してWindows Server 2003では、

  1. システム状態のバックアップを作成
  2. 別の場所に復元
  3. ドメインコントローラの昇格コマンドDCPROMOに/advオプションを指定して起動
  4. メディアからの複製を指定し、バックアップの復元先フォルダを指定

とすればよい。

 本記事は、ネットワークマガジンにて掲載していた連載をまとめたものです。連載の一部は弊社刊行の書籍「Windows Serverマスターガイド」にも収録をしております。

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 また、月刊アスキードットテクノロジーズでは、2010年3月号より本記事の執筆者である横山哲也氏による連載「Windows Server 2008 R2運用テクニック」を掲載しております。最新のWindows Serverの情報に関しましては、こちらもご覧ください。

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