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COMPUTEX TAIPEI 2010レポート第7回

CPUとGPUを統合するAMD「Fusion APU」のデモが初公開

2010年06月02日 21時00分更新

文● 小西利明/ASCII.jp編集部

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 米AMDは2日、COMPUTEX TAIPEI 2010に合わせて開催した記者説明会にて、2011年に登場予定のGPU統合型CPU「Fusion APU」のデモを、世界で初披露した。AMDが以前から取り組んできたCPUとGPUの統合が、いよいよ現実味を帯びてきた。

リック・バーグマン氏 Fusion APUのウェハーを誇らしげに掲げるAMD上級副社長のリック・バーグマン氏

 Fusion APU(Accelerated Processing Unit)とは、現在は個別に存在するX86 CPUとGPUを、ひとつの半導体ダイ上で結合したプロセッサーである。Fusion APUでは同じダイ上にCPUとGPUを実装するだけでなく、将来的には両者が融合した新しいプロセッサーの実用化を目指したものだ(関連記事)。

 インテルのCore i5/3プロセッサーもCPU内にGPUを内蔵しているが、こちらは別々の半導体ダイで作られたCPUとGPUを、ひとつのパッケージ上で結合しているだけにすぎない。2010年末に登場予定の次期CPU「Sandy Bridge」では、インテルもCPUとGPUを同じダイ上で結合するが、こちらのGPUの性能は、Fusionに対抗しうるレベルにはなさそうだ。

既存のパソコンの構成図 Fusion世代のパソコンの構成図
既存のパソコンの構成図。CPUとGPU内蔵チップセットはHyperTransportで接続されている。ディスクリートGPUはさらにPCI Express経由で接続されるFusion世代のパソコンの構成図。CPUとGPUはダイ上のメモリーコントローラーを介して接続される。共有メモリーへはどちらかも高速にアクセスできる

 現代のGPUは単なる3Dグラフィックスアクセラレーターではなく、高速な並列演算が可能なもうひとつのプロセッサーとなっている。これをCPU内に統合することで、今まではCPUとGPUを結ぶバスやメモリーの帯域幅が大きな制約となっていたGPUコンピューティングの世界も、さらに進化することが期待される。将来的に密接な融合が実現されれば、プログラミングモデルも変化していくだろう。

Fusionのソフトウェア面での利点 Fusionのソフトウェア面での利点。DirectX 11によるグラフィックスはもちろん、Direct ComputeやOpen CLによるGPUコンピューティング向けのプログラムも動かせる

 今回の説明会では現在開発中のFusion APUとして、メインストリームデスクトップ/ノート向けの「Llano」(リャノ、ラノ)と、低消費電力なノートパソコン向けの「Ontario」の2種類の概要が示された。どちらも「2011年前半にサンプル出荷」と書かれていたので、実際の搭載製品が登場するのは、2011年後半くらいになりそうだ。

Llanoの概要 Ontarioの概要
Llanoの概要Ontarioの概要

 披露された動作デモは2種類。まずひとつはDirectX 11ベースのゲーム(Alien vs Predator)を動作させるデモで、Fusionの内蔵GPUがDirectX 11対応であることを示している。

Fusionでゲームの実演 Fusionでゲームの実演。内蔵GPUはDirectX 11対応

 もう1種類は、Internet Explorer 9によるGPUアクセラレーションに対応したデモ。CPUのみによる表示が一桁のフレームレートしかでないほど遅いのに対して、Fusionでは50~60フレーム/秒弱程度という圧倒的な速さを実現している。

既存CPUによるIE9の表示デモ FusionによるIE9の表示デモ
既存CPU(左)とFusionによるIE9の表示デモ。左が2fpsと非常に遅いのに対して、Fusionは50fps以上を軽く表示していた

 また説明会では、Fusion対応のソフトウェア・ハードウェア開発を促進すべく、対応ソリューションを開発する企業に対して出資する「AMD Fusion Fund」プログラムも発表された。アプリケーションやツールといったソフトウェアだけでなく、周辺機器やそのほか革新的なアイデアにも投資するという。

 AMDが将来の柱として精力を傾けてきたFusionだけに、その製品の登場が待ち遠しい。来年のCOMPUTEXあたりには、各社の搭載製品が見られるだろうか?

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