「180度」がリアルのコミュニケーションを変える
── 山脇さんはiPadの何がスゴいと思いますか?
山脇 何が素晴らしいかっていったら、iPadってコミュニケーションツールなんですよね。
── ウェブや電子書籍、動画を見るためのビューアーではなく、コミュニケーションツールということですか?
山脇 ビューアーも含めてなんです。キーワードで言えば、「180度のコミュニケーション」ってことですね。パソコンって、基本的には90度の角度で画面が立ってますよね。ところが、iPadは画面をテーブルに置いて180度の姿勢で使える。しかもマウスじゃなくて、オブジェクトをそのまま指で操作できるという。
同じことはiPhoneでもできましたが、iPhoneの画面サイズでは、1対1でも結構つらいものがありますよね。でもiPadなら3人で画面を囲みながら「へー」って話ができるんです。iPadの液晶画面は視野角も広いので、斜めからでもきちんと見える。
── コミュニケーションというと、ネットを介したものを連想してしまったんですが、リアルでってことなんですね。
山脇 英語的に正しい「Communication Tool」です。iPadは、今までコンピューティングに加われなかった人でも参加できるツールなんです。それはシニアの人が見やすいという面もあるけど、私にとって面白いのは子供との対話ですね。実際にうちの7歳の娘は、米国からiPadを買って帰ってきたら、「パパ、iPad見せてー」って言って、何も教えなくても普通に触って遊んでいました(笑)。
── 子供でも!
山脇 彼女は生まれて初めて認識したケータイがiPhoneってぐらいのジェネレーションなんです。私のiPhoneにもうちの娘用のホーム画面があるくらいです。でもiPhoneだったら1人で遊んでいたのが、iPadならリバーシやエアホッケーなどで対戦できる。
「パパこれ分からない」って言われたときの説明も楽になりました。紙なら二人で見て「ここをこうして」って指で伝えられましたが、今までのコンピューターは難しかった。この180度のコミュニケーションっていうのは、今まで紙にしかできなかったんです。
松村 ビューアー端末としては、本当に今までなかったものという感じがしますね。何人かでデジタル画面をシェアして、インタラクティブに触れるっていうのは、テレビですらできてなかった。写真や動画など、もともと作ってあるコンテンツをリアルで一緒に見て共有するというのは、iPadの端末としての特性なんだなと実感します。
山脇 大の大人が2、3人で肩をよせてiPhoneの画面を見るのは、やっぱりしんどいじゃないですか。iPadなら3人でも4人でもOKですよ。
松村 実家の親に使ってもらうパソコンとしても、iPadの3G+Wi-Fiモデルが最適だったりします。実家って、たいていの場合、光回線や無線LANを全部設定して帰っても、次の日に「どうやってつなげばいいのか」って電話がかかってくるじゃないですか。それがiPadなら、電源を入れるだけでとりあえずつながる。
── それは便利! 私も少し前に親がSkypeのログインIDを忘れたとかで、パソコンの設定をしに新潟まで帰省したことがあります(涙)。
松村 みんなやってるはずなんですよ。パソコンやネットワークの設定が難しすぎるから。でも今、インターネットすら導入していない家でも、3G+Wi-Fi版のiPadを置いておけば、勝手にメールで写真も送れるようになる。
── そうか、モデムすら置いておく必要がないんですね。それは新しい。
松村 写真が送りこめるフォトビューアーをダウンロードしておいて、そのメールアドレスに送れば、パッと出てくるみたいな感じにしておくといいと思うんですよね。そこは、やっぱり今までのパソコンだと面倒くさかった。

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