「EPUB」は電子書籍のデファクトフォーマットになるか?
電子出版を巡る主要プレイヤーの現状と流通プラットフォーム | |||
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プレイヤー | デバイス | フォーマット | プラットフォーム |
Amazon | Kindle | AZW(専用)/TXT/PDF/MOBI/PRC | Amazon |
Apple | iPad/iPhoneなど | EPUB | iBook |
各種Androidタブレットなど | PDF/EPUB/HTML | Google Editions | |
Sony | Reader | EPUB/DOC/RTF/PDF/JPEG | Reader Store(Googleと提携) |
それぞれのフォーマットは歴史的な背景や特徴を備えているが、特にEPUBフォーマットは先に挙げた「検索性」とも大きく関わってくる。
ベースとなるのはウェブでも馴染みの深いXHTMLで、そのサブセット的な位置づけとなっており、PDAなどの小型端末でも、オフラインでも閲覧ができるようになっている。また、図表のレイアウトにも対応するなど、書籍だけでなく雑誌や新聞のような体裁にも応用が可能だ。Googleが2009年にスタートさせた「Google Books」でこの方式を採用し、Apple・Sonyも採用を表明。電子書籍フォーマットのデファクト方式と見なされつつある。
オープンなXHTMLベースということでよく誤解があるのが、著作権保護や課金に適さないのではないかという点だ。これはEPUBファイル(一連のXHTMLをZIP圧縮して拡張子が.EPUBとなったもの)に対して、DRM(デジタル著作権処理)を施すといった対応が考えられる。
ただし、日本語特有の縦書きやルビ・禁則処理などに対応していないことを問題視する動きがあるというのは、これまでもご紹介してきたとおりだ。
いずれにしても先日ようやくApple謹製のiPad対応電子書籍アプリ「iBooks」の日本語版がダウンロード可能になったばかり。そしてSonyのReaderはそもそも日本未発売だ。もうひとつの軸といえるAmazonのKindleは日本からも購入可能になったが、日本語書籍のラインナップが基本的に存在していない。
もちろん、サードパーティのアプリなどを使って、自分が所有している本をスキャン→PDF化して表示させたり(いわゆる自炊)、著作権が切れた本を青空文庫などで見つけて、読書することは可能だが、メジャーな使い方とはいえないだろう。やはり、出版社が主体的に作品を提供しない限り、日本には本格的な電子書籍時代はやってこないといわざるを得ない。
しかし、ここでその現状を嘆いていても仕方がない。その門戸が何らかの形で開かれると仮定して、さらに各プレイヤーの特色をとらえておく必要がある。今後の連載の中でさまざまな角度から考察を加えるつもりだが、まずは、iPad対Kindleを軸に今回は考えたい。
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