5月26日、日本IBMは1T FLOPS以上の性能を発揮するGPGPUサーバー「System x iDataPlex TM 大規模並列処理モデル」を発表した。
これは、金融リスク計算、自動車や建物などの空力設計、ゲームのオンライン配信、医用画像のリアルタイム解析など、画像処理と同様に大量の浮動小数点演算の同時並列処理が必要なアプリケーション向けのHPC(High Performance Computing)サーバー。
Xeon 5500/5600番台対応のラックマウントサーバー「System x iDataPlex dx360 M3」をベースに、448コアのGPGPUユニットを2台搭載。6コアのXeon 5600番台×2とGPGPUのコアを合わせると908コアとなり、合計の処理能力は1.13T FLOPSになるという。
本来、多数のコアを搭載するGPGPUは消費電力が大きく、多くの熱量を発する。しかし、ベースとなったSystem x iDataPlex dx360 M3は高い冷却効率が特徴で、GPGPU搭載時も専用の冷却ファンは不要となっている。ファンの消費電力を削減できたことで、System x iDataPlex dx360 M3と比べて、消費電力あたりの性能は8倍になっているという。
価格は1台197万円、1ラック(42台)構成で9570万円から。
また7月1日には、「POWER」や「Cell Broadband Engine(Cell BE)」などのIBM製プロセッサー、IBM BlueGeneなどのスーパーコンピュータ向けアプリケーションの開発エンジニアによる、「IBM System x iDataPlex 大規模並列処理モデル」向け技術支援サービスを開始する。これは、既存のアプリケーションを本サーバーに移行させたい顧客を対象に
- CPUとGPGPUでの作業配分の提案
- 変更に必要な作業量の見積り提供
- 既存プログラムをGPGPU環境向けに変更・最適化するサービスの提供
など、最適な大規模並列プログラム作成に向けた支援を行なうサービスだ。
さらに本サーバーを千葉県千葉市にあるクラウド・コンピューティングのサービス拠点「IBM Computing on Demandセンター」に設置し、ネットワーク経由で利用するサービスも7月下旬から開始する予定だという。