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鳥居一豊の「最新AVプロダクツ一刀両断」 第5回

BDプレーヤーにフォトフレーム、ネット端末にもなる

最強のポータブルプレーヤー「DMP-BV200」を試す

2010年05月27日 12時00分更新

文● 鳥居一豊

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操作のレスポンスがより快適に
1080p出力対応など、画質面でも機能は向上

番組表ももちろん完備している

番組表ももちろん完備している。なお、録画はできない

 テレビ視聴やBD視聴などは機能的には大きく変わった部分はないが、起動時間をはじめとして、操作のレスポンスはかなり高速化された。基本的な操作は同社BDレコーダーの「DIGA」に近い印象だ。

 機能的にはあまり多機能ではなく、画質調整も「明るさ」「色の濃さ」と新規に追加された「色あい」の3つだけとシンプルだ。まあ、高画質モニターというわけでもないので、必要上十分と言えるだろう。

 肝心の画質は、液晶パネルが大きくなったことで大きく変わった。パネル表面も光沢パネルとなり、見た目のコントラスト感がかなり向上している。明るくくっきりとした映像だ。

 ただし、色温度がやや高めで、映像が全体に青みがかる傾向があるのがやや気になった。色合いは調整可能になっているので、気になる人は調整するといいだろう。

 液晶モニターの残像もあまり目立たず、精細感のある映像を楽しめる。BDソフトの再生でも情報量の豊富さの伝わる映像で、画面サイズが小さいこともあってほとんど不満はない。

 HDMI出力を使い、BDプレーヤーとしても使ってみたが、従来機が1080iまでしか対応していなかったが、きちんと1080p出力まで対応するようになった。画質的に大きな差が出るほどのものではないが、最新のBDプレーヤーとして見劣りのない性能にアップデートされたことは歓迎したい。

 出力された画質はモニターの解像度に合わせたのか、シャープネス強調がやや強めのエッジの効いた映像となっていた。基本的にくっきりとした画質傾向は変わらないが、大画面で見ても、S/Nが良く鮮明な映像だ。

 映像の奥行き感のような微小な信号の再現は本格的なBDプレーヤーに及ばない部分もあるが、十分な実力と言える。音質的にも少々低音域の再現は物足りないと感じたが、バランスのいいクリアなサウンドでサラウンド音声の空間表現などもしっかりと再現できている。

 総じて、画質・音質ともに従来機よりも進歩しており、BDプレーヤーとしての実力もなかなか優秀なものになっている。コストパフォーマンスの極めて高い同社のBDプレーヤーにはやや及ばないが、コスト的な問題というよりは、サイズ的な問題もありそうなので、あまり欲張るのも厳しいだろう。

 欲張りな意見としては、ぜひともHDMI出力だけでなく、HDMI入力も装備して欲しいところ。デジタル一眼カメラやハイビジョンビデオカメラの屋外撮影では、モニターとしてモバイルPCを使うことが多いが、PCではなく、こうしたポータブル機器が屋外用モニターとして使えると重宝するような気がする。次世代機があるならば、ぜひとも検討して欲しいところだ。

「全部入り」なポータブルデバイスの普及に期待!

 これだけの機能を盛り込んだ製品として考えると、実売約9万円という価格はかなり安いと言ってもいい。機能や使い勝手の改善、なにより画質・音質の向上も含め、インパクトの強さでは従来機よりも魅力は大きい。

 10型前後のポータブルサイズは、それまでの5~7型前後のモニターを持ったポータブルテレビと比べてサイズ的に大きい印象があるが、ハイビジョン時代の高精細な映像を見るのはポータブル機でもこのくらいのサイズは欲しくなる。

 土俵は異なるものの、iPadが9.7型とほぼ同サイズなのも偶然ではないように感じる。家の中を手軽に持ち運べて、アンテナやネットワーク配線、電源さえ不要な完全ワイヤレスで使えるというのも極めて快適だ。盛り込まれた機能の凝縮度を考えると、なかなか他社が追従するのも難しい気がするが、いくつかのメーカーから同様なモデルが登場すると、1ジャンルを形成するアイテムに成長するような気もする。今後のさらなる発展が楽しみな製品だ。


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