ServersManを利用するメリットは
ネットのどこからでも自宅のNASにアクセスできる
サービスという観点からServersManを眺めた場合、もっとも特徴的なのは「どこからでもアクセスできる」という機能だろう。個人宅で自宅サーバーを運営してインターネットからアクセスする場合は、ブロードバンドルーターの設定でポートを開放して、特定のポートへ転送する設定をするなど一手間がかかる。ServersMan@CASの場合、80/443/8080/8888といったウェブアクセスのためのポートが開放されていることが必要だ。
アクセス方法が多様なこともポイントである。ServersMan@CASをイーサーネットへ接続しておけば、インターネットからは常に「http://www.serversman.net/XXXXX/」として見えるので、ダイナミックDNSサービス(自宅にサーバを設置するときなどに利用される、オリジナルのドメイン名を任意のIPアドレスに割り当てるサービス)なしに、どのようなクライアントからもアクセスできる。接続に必要なソフトという意味では、WebブラウザやWebDAVクライアントを利用できるので、MacのWebブラウザからアクセスするもよし、Windowsのエクスプローラーから(WebDAVクライアントとして)接続するもよし、利用環境に応じて選択可能だ。
開発元のフリービットが提供する各種フリーウェアもある。たとえば、iPhoneアプリ「scooop」は、iPhoneで撮影した写真をダイレクトにServersMan@CASへアップロードできる。
ほかにも、IPv6のサポートやWebサーバ機能など、ServersManには多くの機能が用意されている。ServersMan@CASは、そのServersManとしての基本機能にくわえ、iTunesサーバやプリントサーバといった土台となるNAS(MZK-NAS02SG)の機能が利用できるというわけだ。
セットアップの際にはルーターの設定が必要
ServersMan@CASのセットアップは、いくつかのポイントさえ押さえておけば難しいことはない。イーサーネットでLANに接続し、ブラウザを介してIPアドレスの設定やサインアップなど必要な手続きを行なえばいい。
セットアップで引っかかるとすれば、ポートの開放だろう。ブロードバンドルータを設置している場合、アクセスを受けたときに使用するポート(たとえば8080)を開放しておかなければ、WebDAVなどのサービスを利用できない。筆者が利用しているバッファローBHR-4RVの場合、8080番ポートへの信号をServersMan@CASのアドレスへフォワードするよう設定する必要があった。
アカウント管理がServersManとNASでは分離されていることにも、注意が必要だ。たとえば、NASのサービス用に登録したアカウントでは、外出先からServersManにアクセスできない。つまりはユーザーの二重管理が必要になるわけで、この点をよく認識していなければとまどう場面は多いことだろう。
次回は、仮想専用サーバーサービス「ServersMan@VPS」など他のServersManサービスと比較しつつ、iPhoneを生かす形でのServersMan@CASの活用方法を紹介する予定だ。