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マイケル・デルもタブレット持って応援に登場!

クラウド時代のデータセンターと相対するシトリックス

2010年05月24日 09時00分更新

文● 渡邉利和

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ハイパーバイザの進化も続く

 シトリックスの仮想化製品群の中核となるハイパーバイザ「XenServer」でも、新バージョンとなるXenServer 5.6が発表された。提供開始は5月28日の予定。中核となるハイパーバイザは無償で利用可能。

 高可用性機能や高度なレポーティング機能などが追加された「XenServer 5.6 Advanced」は、物理サーバー1台当たり1000ドル、または、クラウドプロバイダ向けには月額30ドルで提供される。さらに高度な運用管理支援機能やツール/ユーティリティなどが組み合わされる上位版の価格は、「XenServer 5.6 Enterprise」が2500ドル、「XenServer 5.6 Platinum」が5000ドルとなる。

ハイパーバイザの新バージョン「XenServer 5.6」も発表

 XenServer 5.6の主な改良点は、「仮想サーバーの密度と拡張性の向上」「より高速化されたネットワークパフォーマンス」「メモリの最適化」「パワーマネジメント対応」などとなっている。

 ハイパーバイザのコモディティ化の先駆けとなったXenServerの無償化だが、エンタープライズ環境やクラウドプロバイダなどの大規模環境で効率的な運用を実現するには、やはり有償版の高度な運用管理機能が必要となるのは間違いない。基調講演では、パブリッククラウド提供事業者としては世界第2位の規模だという米ラックスペースが、オープンソース版のXenからシトリックスのXenServerへの移行を決定したことも発表され、単に無償であればよいわけではなく、機能と価格のバランスで利用価値が決まるというごく当然のことが確認された。

DELL Streakもお披露目

 基調講演の最後のゲストとして登壇したのは、デルの創業者で現CEOのマイケル・デル氏だった。同氏は、デスクトップPC中心からモバイルアクセスが重視されるようになった現在までの変化を振り返りつつ、「ユビキタスアクセス」や「仮想化」の重要性について語った。

基調講演のゲストとして登壇したマイケル・デル氏。発売前のAndroidタブレット「Streak」をさらっとお披露目した。

 ユビキタスアクセスに関しては、「ITの進化によって、小さな会社であっても今やグローバルに活動することが可能になっており、世界という大きな枠で物事を考える必要がある」と同氏はいう。「小さな会社であっても、その会社にとって最適な人材が会社の周囲の通勤可能圏に在住しているとは限らない。全世界から候補者を捜せば、その会社にもっとも必要とされる人材が他国にいるかもしれない。そうなれば、従来のように働く場所を会社のオフィスに限定してしまうことはできなくなる」と語る同氏が取り出したのは、6月にヨーロッパで発売予定といわれる同社のアンドロイド搭載スマートフォン「Streak」だ。

 Citrix Synergyでの基調講演ということもあり、同氏は「この端末にはCitrixのRecieverが載るので、ここに来る直前に自分のPCのデスクトップを転送してきたんだ」といいながら画面を操作する様子を見せた。Streakの機能について詳細に語ることはしなかったが、Citrix Recieverが載るというだけでも、企業ユーザーにとっても魅力的な端末に見えてきたのではないだろうか。

 イベント全体としては、やはりXenClientがもっとも注目された感があったが、終わってみればさまざまな新発表があり、全製品ラインに渡って着実に成熟しつつあることが基調講演からも感じられたのが印象的だった。

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