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iPadより快適?ウェブ専用タブレット joojoo日本発売

2010年05月21日 14時33分更新

文● 小西利明/ASCII.jp編集部

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joojooインターネット・タブレット

joojooインターネット・タブレット

 2009年末に米国で発売され、ガジェット好きな先進ユーザーの興味を引いていた独自設計のタブレット型インターネット端末「joojooインターネット・タブレット」(ジュジュ、以下joojoo)が、日本向けに販売開始された。

 これに合わせて、販売元のFusion Garage社CEOのチャンドラセカル・ラサクリシュナン(Chandrasekar Rathakrishnan)氏が来日し、報道関係者向けにjoojooの説明会を行ない、実機を使ったデモを披露した。

joojooを手にデモを披露するラサクリシュナン氏

joojooを手にデモを披露するラサクリシュナン氏


アプリストアはインターネット? ウェブブラウジングに特化

joojooの縦表示

joojooの縦表示。ワイドディスプレーなのでかなり縦長に見える

 joojooは一見するとiPadによく似た、ピュアタブレット型のモバイルインターネット端末である。ただしサイズはiPadより一回り以上大きく、12.1型ワイドサイズ、解像度1366×768ドットとノートパソコン並みの液晶ディスプレーを備えている。もちろんディスプレー表面はマルチタッチ対応の静電容量式タッチパネルとなっていて、指だけで操作できる。

 joojooがiPadやAndroidベースの端末と異なる点は、クライアントアプリケーションという概念がなく、ウェブブラウジングに特化している点だ。「ブラウザベースオペレーティングシステム」と称するLinuxベースの独自OSを備えていて、電源を入れると約9秒でウェブブラウザーが起動する。ホーム画面にはGoogleやYouTube、Facebookなどのアイコンが並んでいるが、これらはすべてウェブサイトやサービスへのショートカットであり、アプリケーションではない。

 クライアントアプリケーションという概念がないため、アップルのAppStoreのようなアプリストアも存在しない。アプリケーションの類はすべて、既存のウェブサービスやウェブアプリケーションを利用することになる。ラサクリシュナン氏はこれを称して、「joojooは世界で最大のアプリストアを持っている」と述べる。つまり、インターネット上のウェブアプリケーション・サービスはどれでも使えるので、クライアントアプリケーションの販売システムはそもそも必要ないという理屈だ。

左右フリックでページを切り替え

複数ページを開いたときには、左右フリックでページを切り替える。動作はかなり速い

 その代わり、joojooは快適なウェブ体験を実現することを志向している。電源を入れたら約9秒でブラウジングが可能になり、WebkitベースのウェブブラウザーはFlashにも対応している(Flash Player 10.1にも対応予定)。CPUにはAtom(付属のガイドにはAtom N270と記載)、チップセットにはNVIDIA IONを採用しており、1080pの動画でも快適に視聴できるとしている。実際に触れてみると、ウェブブラウザーの動作は確かにスムーズで、複数のページを左右フリックで切り替える動作も軽快だった。

Flashを使ったFacebookのアプリケーションも問題なく動く

Flashを使ったFacebookのアプリケーションも問題なく動く。Flash 10.1への対応も表明している

プレゼンテーションの表示だけでなく作成も可能

Googleドキュメントを利用すればプレゼンテーションの表示だけでなく作成も可能

 加速度センサーを内蔵し、タブレットの向きに応じて画面の縦横表示を切り替えられるのは、iPadと同様。テキスト入力にはソフトウェアキーボードを使用し、横画面表示では大きめのキーボード表示に切り替えることで、快適に入力できるとしている。今回披露された端末は日本語表示はできるものの、まだ日本語入力には対応していなかった。日本向けに製品が出荷される6月1日には、ソフトウェアアップデートにより日本語入力機能が搭載されるという。

ソフトウェアキーボードはiPad風

ソフトウェアキーボードはiPad風。キーボードは画面上の任意の位置に動かせる

 そのほかにiPadにはない利点として、USB端子をひとつ装備。USBストレージにある動画や静止画を、joojoo上で再生できるとしている。また1.3Mピクセルのウェブカメラも内蔵している。

本体上部にはUSB

本体上部にはUSBポートをひとつ装備

本体下部のコネクター

下部にはマイク入力、ヘッドホン出力、電源コネクターが並ぶ

 ディスプレーサイズが大きい分だけ、本体サイズもiPadよりかなり大きい。ワイド型ディスプレーを搭載するため、横長な印象だ。サイズは幅325×奥行き198×高さ5~18mm。重さは約1.1kgとなっている。

本体背面

本体背面。黒い前面にシルバーの背面というデザインはiPadと似ているが、吸排気口などがあり印象は異なる

 通信機能はIEEE 802.11b/g対応無線とBluetooth 2.1。3G通信の機能は持たないが、ラサクリシュナン氏は将来的には3G対応版も展開したいとの考えを示した。バッテリー駆動時間は無線LAN使用時で最大5時間としている。バッテリーは内蔵式のリチウムポリマー充電池を使用。付属ACアダプターで充電する。

 完全にウェブブラウジングに特化した端末であるため、通信環境のない状態では事実上使い物にならないが(USBストレージ経由での動画再生は可能という)、ブラウジングの快適さの実現に注力して、アプリケーションはすべてウェブサービスを使うというのは、考え方としてはありだろう。

 写真や動画再生、ブラウザーベースのゲームはありふれたものだし、ワープロや表計算、プレゼンテーション作成といった用途も、Googleドキュメントのようなウェブサービスでいまや可能となっている。ウェブブラウザーが快適に動くならば、クライアントアプリケーションは重要ではないという割り切りもできる。

 さて気になる価格だが、joojooの日本向け販売価格は4万4999円。オプションのスタンドが2699円となっている。本日から受注を開始し、出荷は6月1日からの予定。

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