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セキュリティ事業を除いたベリサインは?

シマンテック、ベリサインの事業買収でピースを埋める

2010年05月21日 06時00分更新

文● TECH.ASCII.jp

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 5月20日、米シマンテックは米ベリサインの電子証明・個人認証事業(Identity and Authentication Business)を買収する契約に調印したことを発表した。買収金額は約12億8000万ドル(約1183億円)で、今後60~90日以内に実施される予定となっている。買収対象には、日本ベリサインの株も含まれているため、日本ベリサインは米シマンテックが親会社となる予定。

 今回買収される事業は、同社が高いシェアを誇るSSLサーバー証明書、認証局の運用を手がけるマネージドPKI、ワンタイムパスワードやフィッシング詐欺の防御などを実現する「VIP(Verisign Identitiy Protection)」など、セキュリティビジネス全般になる。投資家向けの資料によると、今後の情報セキュリティ管理において認証事業がキーとなること、クラウド向けの事業を強化する必要性があること、そして新規事業における営業体制の強化などが買収の大きな動機になっている。数多くのセキュリティ製品を扱うシマンテックだが、電子証明書事業はポートフォリオから抜け落ちており、トップベンダーの買収により、手中に収めることになる。先頃買収を発表したPGPとあわせ、セキュリティソフトウェアの分野で欠けていたピースを埋めたといえる。

 一方、ベリサイン側で買収後に残るセキュリティ事業以外のビジネスとはなにか? 日本ベリサインの広報によると、米ベリサインでは売り上げの半分以上はドメイン管理事業からのもので、セキュリティ事業の売り上げは全体の4割にとどまるという。つまり、米国においてはセキュリティ事業は必ずしもメインではない。一方、日本ベリサインでは逆にセキュリティ事業が9割を占めるため、事実上すべての事業がシマンテックの傘下に入ることになる。

 シマンテックの買収後はベリサインのブランドを統合した、プレミアムの高いブランドを醸成していくとのこと。そのため、買収後にはロゴの変更も行なわれ、ベリサインロゴのチェックマークがシマンテックロゴに統合される予定となっている。

買収後のシマンテックロゴにはベリサインのロゴも組み込まれる予定

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