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時代は新しいアナログへ 電子楽器「monotron」が生まれた理由

2010年05月22日 12時00分更新

文● 四本淑三

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不安定なまま安定している楽器

―― こうして純度の高いアナログシンセのモジュールが完成したことで、逆に70年代的なシンセにも期待してしまうんですが。

坂巻 やりたいなとは本気で思っていますよ。

―― たとえば単純に考えて、monotronを48個つないだら、48鍵のポリになりませんか? PSシリーズみたいに。

坂巻 ところが値段は48倍では済まないんですよ。ピッチを安定させる装置が必要で。アナログって、とにかく安定させるのが大変なんですよ。

PSシリーズ : 1977年に発売されたコルグの本格的ポリフォニックシンセサイザー。各鍵盤に1つづつシンセサイザーを搭載することで、完全なポリフォニック化を実現した。

PSシリーズのハイエンドモデル「PS-3100」(1977年発売)。当時の価格は120万円!

―― ですよね。毎日電源を入れるたびにピッチが違いますよね、アナログは。

坂巻 monotronをこの値段で出せたのは、リボンコントローラーで、ピッチを安定させなくて良かったからなんです。普通の鍵盤だと「ド」を押したら必ず「ド」の音が出なければならない。でもリボンだったら、押す位置で微妙に変わるので、それをする必要がないんです。

―― でも、これがアナログシンセの技術を継承するために作られたのだとすれば、僕らもいろいろ期待していますから。

坂巻 どんな形になるかは分かりませんが、やっていきたいと思っています。

次回予告

 来週はコルグも出展するギークの祭典「Make Tokyo Meeting 05」の模様をお伝えします。どうやら自作シンセ界の人たちもmonotronには注目しているらしい。どんな風に「応用」した作品が出てくるのか? こうご期待!

(※ 最後に、冒頭の動画を作ったKoishiさんのインタビューをお楽しみください)

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