このページの本文へ

時代は新しいアナログへ 電子楽器「monotron」が生まれた理由

2010年05月22日 12時00分更新

文● 四本淑三

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

コレくらいの大きさで、5000円くらいで作れない?

―― いきなり聞きますが、何でこんなものを作りましたか。

坂巻 まず小さいデバイスで音の出るもの。たとえばiPhoneにしても、ニンテンドーDSにしても、コルグのKAOSSILATORもそうですが、気軽に遊べるエンターティメントのデバイスが流行ってますよね。だけど、中がデジタルだと、何でもシミュレーションでできちゃうわけですよ。

―― 安く小さく作れるメリットもありますからね。

坂巻匡彦さん

坂巻 そこで圧倒的な差異を作るにはアナログだろうと。音を聴いたら誰でもすごいと思うものなら面白いんじゃないかと。そこにコルグのアナログ技術を生かせないかなと思ったんです。

―― そこで手のひらに乗る小さなアナログシンセを作ろうと。

坂巻 そうです。それで、ウチにすげえ新人がいるぞということで。「コレくらいの大きさで、つまみが4個付いてるシンセが作りたいんだけど、5000円くらいで作れない?」って話を振ってみたんです。

―― そりゃまたムチャクチャな話を。

高橋 でも差異という意味では、アナログでしかできないことをやれたと思います。最終的につまみは1個増えましたけど。

高橋達也さん

―― いまアナログを出す意味は何かということをひとまず置いておいても、楽しいですよね、これ。

高橋 僕らも分かってないですよ、何のためにあるのかという明確な理由は。

坂巻 でもコルグがずっとつちかってきたアナログシンセの技術を、若い世代に引き継ぐ必要はあるんですよね。

左から電源兼用のpitch mod/cutoff modの切り替えスイッチ、VCO(pitch)、LFO(rate)、LFO(int.)、VCF(cutoff)、VCF(peak)の各ツマミ。LFO(rate)つまみは、周波数に合わせてLEDが明滅する

(次のページに続く)

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン