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最新CPUを搭載し、24スレッドの同時実行が可能なワークステーション

デュアルXeon 5600番台の快感──HP Z600の実力検証

2010年05月19日 09時00分更新

文● 石井英男

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Xeon W5580に比べて大幅に性能が向上

 それでは、最新のXeon X5670を2基搭載したHP Z600のパフォーマンスを検証してみることにしたい。試用機のOSは、Windows 7 Professional 64bit版である。

 今回の試用機は、Xeon X5670を2基搭載しているため、合計12コアとなり、HTテクノロジーを有効にすれば24スレッドの同時実行が可能になるが、デフォルト設定では、HTテクノロジーは無効にされており、同時実行可能なスレッド数は12となっていた。

デフォルト設定ではHTテクノロジーが無効にされており、同時実行スレッド数は12となっていた

BIOS設定を開いて、HTテクノロジーを有効にすると、OS上では24個のCPUがあるように認識され、同時に24スレッドの実行が可能になる

 16スレッドを超えるマルチスレッド動作に対応しているアプリケーションなら、HTテクノロジーを有効にしたほうがパフォーマンスが向上するが、16スレッド以下のスレッドしか生成しないアプリケーションの場合、HTテクノロジーを有効にするとかえってパフォーマンスが低下する可能性があるからだ。


マルチコアの性能を生かすためには、アプリの対応も

 そこで、最大16スレッドの同時実行に対応した3Dレンダリングベンチマークソフトの「CINEBENCH R10」と、最大64スレッドの同時実行に対応した3Dレンダリングベンチマークソフトの「CINEBENCH R11.5」を利用して、HTテクノロジー有効時と無効時でのベンチマークテストをおこなってみた。

 CINEBENCH R10については、以前、クアッドコアのXeon W5580を2基搭載したHP Z800 Workstationで計測をおこなったので(HTテクノロジー有効時)、そのスコアと比較してみた。

CINEBENCH R10 64bit
HP Z600/HTテクノロジー有効(24スレッド) 34420
HP Z600/HTテクノロジー無効(12スレッド) 39606
HP Z800/HTテクノロジー有効(16スレッド) 29908

 まず、CINEBENCH R10の結果だが、HP Z600でHTテクノロジーを有効にすると、HTテクノロジー無効時に比べて、スコアは13%程度低下してしまった。

 前述したように、CINEBENCH R10は16スレッドまでの同時実行にしか対応しておらず、HTテクノロジーを有効にすると、スレッドあたりの演算ユニットなどのリソースが低下してしまうので、パフォーマンスが低下してしまうのだ。しかし、Xeon W5580を2基搭載したHP Z800に比べると、Xeon X5670を2基搭載したHP Z600は、約32%もスコアが向上している(HTテクノロジー無効時)。

CINEBENCH R11.5 64bit
HP Z600/HTテクノロジー有効(24スレッド) 15.78pts
HP Z600/HTテクノロジー無効(12スレッド) 13.03pts
HP Z800/HTテクノロジー有効(16スレッド) 未計測

 それに対し、CINEBENCH R11.5は、HTテクノロジーを有効にすることで、スコアが約21%向上している。16スレッドを超えるマルチスレッド動作に対応したアプリケーションなら、HTテクノロジーを有効にしたほうがパフォーマンスが上がるが、そうでないアプリケーションを使う場合は、HTテクノロジーを無効にしたほうがよいだろう。

 HTテクノロジーを無効にしても、6コアCPUを2つ搭載したHP Z600のパフォーマンスは、非常に高いといえる。

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