デスクトップ共有機能を備えたビデオ会議システム「HP SkyRoom」
HP Z600をはじめとする日本HPのワークステーションには、HP独自のビデオ会議システム「HP SkyRoom」のソフトウェアが無償でバンドルされている。HP SkyRoomは、最大4名までの同時利用に対応し、960×720ドットのハイビジョン画質でのビデオ会議が可能である。
さらに、単なるビデオ会議だけでなく、デスクトップの共有機能を備えているため、動画や映像、3D CADデータなどを遠隔地と共有しながらコミュニケーションが可能であり、会議や出張のコストや労力を大幅に削減できる。
そこで、HP SkyRoomの使い勝手をレビューしてみたい。日本HP製ワークステーションには、標準でHP SkyRoomのソフトウェアが付属しているが、HP SkyRoomを利用するには、Webカメラとヘッドセットから構成されるオプション製品「HP SkyRoom標準ハードウェアキット」の購入が必要だ。標準ハードウェアキットに含まれるWebカメラは、200万画素の「Logitech QuickCam Pro 9000」 である。
HP SkyRoomを最初に起動すると、Webカメラやヘッドセットのチェックがおこなわれ、映像圧縮形式や解像度の設定画面が表示される。HP SkyRoomでは、映像圧縮形式をH.264とMPEG-2から選べる。帯域を減らしたい場合は圧縮率の高い前者を、CPU負荷を減らしたい場合は後者を選べばよい。解像度も320×240ドットから960×720ドットまで自由に選択できる。ビットレートは、H.264が332kbps~2064kbps、MPEG-2が570kbps~3646kbpsとなる。
HP SkyRoomのウリが、デスクトップ共有機能である。これは、画面上の任意の場所をドラッグ&ドロップで囲んで指定すると、その領域をリアルタイムでビデオ会議で繋がっている他のユーザーに見せられる機能だ。
画面に表示されるデータを圧縮して送信する仕組みなので、閲覧側に大きな負荷はかからない。例えば、CADの図面や3Dレンダリングソフトの画面を共有しながら、ビデオ会議をおこなえるので非常に便利だ。
実際に、日本HP製のワークステーションを2台用意して、HP SKyRoomを利用してみたが、タイムラグも小さく、映像や音質も高品位であった。デスクトップ共有機能の動作も軽快で、同じPCの画面を一緒に覗き込みながら会話をしている感覚で利用が可能であり、ビデオ会議システムとしての完成度は高いと感じた。
スケーラビリティの高さはさすが
今回の試用機はハイエンド構成であったため、価格が84万円程度となるが、最小構成時なら17万6400円とハイエンドPCと変わらない価格になる。
CPUやビデオカードを上位のものにすれば、デュアルプロセッサー対応のワークステーションとして、現在最速のパフォーマンスを実現可能で、精緻なモデルの3D CADや3Dレンダリング、HD映像のノンリニア編集といった、一般的なPCでは荷が重い作業も快適にこなすことができる。
また、ビデオ会議システム「HP SkyRoom」の実用性も高く、遠く離れた支社や海外との会議などにも威力を発揮するだろう。
