ITライターという稼業は太りやすい。取材の時以外はパソコンの前に座って仕事をしているので、まったく運動しない。通勤さえないのだから、ひどいものだ。締め切りのラッシュになれば、食事さえもデリバリーで済ましてしまう。当然、あっという間に脂肪がごっそり乗ることになる。そのため、ここ数年は常に体重の抑制が課題になっている。
食事制限と運動が重要なのは百も承知だが、忙しかったり、モチベーションがわかなかったりして動けない。そんな中、何とか効果が出る手法を見つけ出した。その際に、いろいろと試した方法とともに紹介しよう。
iPod nanoやケータイで
ウォーキング&ジョギング支援
ウォーキングやジョギングは定番ながら、効果が大きいダイエット法だ。しかし、継続するにはモチベーションを維持する必要がある。筆者の場合は「記録」だ。消費したカロリーが数字で見えないと、やる気が起きない。そこで、歩数から消費カロリーを計測してくれるアイテムが必要になる。
以前は専用の万歩計を使っていた。オムロンの「Walking style HJ-113」は、2500円前後とお手頃な価格の万歩計。ボタンが3つしかないので操作が楽だ。さすがに専用機だけあり、歩数をカウントする精度は高い。ポケットやバッグに入れておいても正確に計ってくれるので、携帯しておくだけでいい。ただ、履歴は7日間分しか取れないので、歩数の記録はメモしたりパソコンに手作業で保存する必要がある。
そこでiPhoneを使ってみることにした。しかし、いくつかの万歩計アプリをインストールしてみたものの、すぐに面倒になってしまった。まず、万歩計アプリを起動している必要があり、スリープもできないのでバッテリーを急速に消費してしまう。マルチタスク動作はできないので、グーグルマップで現在位置を確認したいときに不便だ。またアプリによっては、歩数が2~4割少なくカウントされることもある。
「センサーを別にすればどうだろう?」と思い、次は「Nike+iPod Sensor」を購入してみた(iPod nanoで使うなら、アダプターもセットになった「Nike+iPod Sport Kit」が必要)。iPhone 3GSやiPod touch、iPod nanoとワイヤレスで通信し、ワークアウトのデータを記録できるアイテムだ。こちらは電話アプリと同様、バックグラウンド動作するのがうれしいところ。
歩数を検知するセンサーはスニーカーに装着する。ナイキから専用のシューズが発売されているが、やや高いし、デザインも限られる。Nike+に対応していないシューズも利用するなら、センサーホルダーを利用する。ベルクロなどで靴紐に装着できるアイテムで、シューズを選ばない。
走った距離や運動時間、消費カロリーなどのデータを、iTunes経由で「nikeplus.com」に送信し、管理できるのも面白い。走行距離やワークアウトの時間を記録できるほか、ほかのユーザーと競ったり、大会に参加したりできる。精度もなかなかいい。暇さえあれば走って距離を増やしたくなるので、ダイエットを強力に支援してくれる。RPGで地道な経験値稼ぎが好きな人に最適だ。
Nike+はそこそこ活用したのだが、最近では利用する頻度が少しずつ減ってきた。バッテリーの消費が激しいうえ、センサーのセットやアプリの起動が手間なのだ。外出先で時間が空いたので、一駅分歩こうと思い立ったときに、センサーを持っていないということも起きる。革靴で出かけているなら、どうしようもない。せっかく歩いたのに、計測してくれないと損をした気分になる、という言い訳で結局歩かない。もう、自分の意志の弱さに辟易するが、あきらめるわけにもいかない。
次に目を付けたのが「iPod nano」だ。Nike+を使うには、センサーに加えてアダプターも必要になる。一方最新のiPod nanoには、歩数計が搭載されている。本体に内蔵されたセンサーを利用するので、ほかにデバイスを必要としないのが手軽だ。設定で歩数計を常に起動するようにすれば、携帯しているだけで歩数をカウントしてくれる。過去の履歴も取ってくれるし、グラフ表示もできる優れものだ。
しかし残念なことに、iPod nanoも長続きしなかった。そもそも、筆者は「常に音楽を聴きたい」というタイプではない。強行軍の取材や、飲みに出たりする際はiPodを持たないのだ。そこでたどり着いたのが、ケータイ付属の歩数計だ。
メインで使っている携帯電話端末は「Softbank 931SH」で、歩数計機能を備えている。この機能を有効にしておけば、24時間歩数をカウントしてくれるのだ。iPhoneと931SHは常に身につけているので、意識せずに利用できるのがうれしいところ。iPhoneのようにアプリを起動する必要がなく、バッテリー駆動時間も十分に長い。長期間のデータを残せるのも魅力的だ。パソコンにデータを転送してグラフ化するような使い方は難しいが、日々の歩行を余さず記録してくれるので、モチベーションを維持しやすい。
いろいろと寄り道をして、結局シンプルなケータイの機能を利用することになった。ものぐさな人間がダイエットに活用するなら、常に身につけているデバイスで使えなければ難しいようだ。
iPhoneユーザーとしては、内蔵のセンサーだけで「Nike+iPod Sensor」並の精度を出してくれるとうれしい。さらに、iPhone OS 4.0のマルチタスク機能で、歩数計アプリをほかの操作と併用できるようになってほしいものだ。次世代iPhoneに期待したい。

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