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ゼロからはじめるバックアップ入門 第2回

さまざまな手法を理解しよう

バックアップをするには何が必要なの?

2010年06月03日 09時00分更新

文● 伊藤玄蕃

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バックアップをコントロールするソフトウェア

 バックアップソフトウェアは、バックアップの対象となるデータの管理、バックアップ先のメディアの管理、バックアップ処理のスケジューリングや処理結果の通知などの運用管理に必要な機能を提供する。バックアップソフトウェアには、サーバのOS、業務アプリケーションやデータベースソフト、バックアップメディア、対象サーバ数、システム構成などの要件に応じて、さまざまな製品がある。バックアップソフトウェアの選択は、これらの要件について、現在、および想定される将来の変化に対する適合性を比較検討した上で、決定しなければならない。

 また、バックアップソフトのデータ保存形式(メディア上のデータフォーマット)にも注意を払う必要がある。一般に、バックアップソフトウェアが異なれば保存形式も異なるので、バックアップソフトウェアを変更すると、過去にバックアップしたデータの形式変換(コンバート)作業が必要となる。
 このため、基幹業務やデータの長期保存が義務付けられたシステムのバックアップソフトウェアには、ソフトウェアの長期に渡る利用可能性が重要となり、ベンダーの会社やそのソフトウェア事業の存続可能性までも考慮しなければならない。つまり、カタログスペックだけでなく、そのソフトウェアの販売実績やベンダーの企業規模や業績も、重要な判断基準になる。

Windows Server 2008 R2の標準ツール「Windows Serverバックアップ」

 ただし、UNIXであれば「tar」、Windowsであれば「NTBackup」や「Windows Serverバックアップ」(Windows Server 2008以降)などのバックアップツールがOSに標準装備されている。このため、これらの標準ツールと共通の保存形式を採用し、互換性を持たせたバックアップソフトウェアもある。このような製品でバックアップしたデータは、最悪の場合は、OSの標準ツールを使って復旧することが可能である。

(次ページ、「バックアップメディアと装置」に続く)


 

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